2015年06月30日

六甲から眺める神戸

 外に出て運動するのが気持ちいい季節になると、週末、MTBで六甲を登ることが多くなります。私は、自宅から近い表六甲線(南ルート)から登ることがほとんどです。

 坂道を登っている時は、身体に対する心地良い負荷があり、トレーニングしている充実感に満たされます。これに対して、下っている時は、ローラーコースターのようなワクワク感があります。さらに、山の上から眺める景色も、いつも違った表情を見せてくれます。山、街、海、そして空。決して飽きることがありません。

 今回は、最近1カ月の週末ライドの様子を、写真で振り返ってみました。


 2015年5月30日(土)、表六甲線を9割くらい登ったところにある鉢巻展望台、お気に入りの場所の一つです。この日は、暑かった。
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(愛車ロックホッパーで、いつもの鉢巻展望台へ。暑い・・。)


 2015年5月31日(日)、摩耶山の掬星台(キクセイダイ)。摩耶ケーブルの終点にあるので、観光客でにぎわっていました。夜景スポットとして超有名です。
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(夜に来ると100万ドルの夜景が見れます。自転車で夜の峠道は危ないけど・・。)


 2015年6月6日(土)、鉢巻展望台。雨が上がり、空気が洗われていたようです。
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(空と雲の色がくっきりとしてました。)


 2015年6月13日(土)真っ昼間、表六甲線。暑くて、途中で何回も休憩して水を飲みました。いつもなら軽く感じるMTBが、戦車のように重く感じました。
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(表六甲線の途中。暑い・・。)
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(愛車のAギャングが戦車のように見える・・。)
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(やっとたどり着いた鉢巻展望台。ノド渇いた・・。)


 2015年6月14日(日)、鉢巻展望台。薄く曇っていて、前日の暑さが嘘のよう。
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(前日と同じ場所。涼しい。)


 2015年6月18日(木)夜、ロックホッパーに900mlの水筒を装着。脱水対策です。
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(大きな水筒がないと耐えられない。)


 2015年6月20日(土)朝、鉢巻展望台。雨の予報だったので、急いでひと登りしてきました。
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(雨が降る前に登る。)


 2015年6月21日(日)夕方、鉢巻展望台。山頂付近にあった雲がどこかへ行ってしまったので、登ってみました。山の影が、街の途中まで伸びていました。
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(夕景もよい。影と光のコントラストが素敵。)


 2015年6月27日(土)午前、鉢巻展望台。今にも降り出しそうですが、その分涼しくて、快適でした。
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(怪しげな空。)


 2015年6月28日(日)午後、朝方から山上に降っていた雨が止んだので、ひとっ走りしてきました。涼しくて、快適でした。
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(鉢巻展望台。前日と全く同じアングル。)
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(六甲ガーデンテラスからの眺望。何度来ても飽きません。)



 毎回違う場所に行くのも自転車の楽しみではあるけれど、毎回同じコースってのもなかなかですよ。

 では、また・・。
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posted by 司法書士 前田 at 16:48| Comment(0) | 自転車

2015年06月28日

ラピッドファイアー型シフターの修理

 シマノのラピッドファイアー型シフターは、変速操作を直感的に行えるというメリットがあるために、マウンテンバイクやハイブリッド(クロス)バイクに広く採用されています。しかし、このタイプのシフターは、内部構造が繊細であるために、比較的簡単に動作不良を起こしてしまうという難点があります。

 そこで今回は、動作不良を起こす原因と、その修理方法を紹介します。「修理」と言っても、誰でも簡単に行える方法なので拍子抜けしてしてしまうかも知れません。



1. 動作不良の原因
 分解してみれば分かるのですが、ラピッドファイアー型シフターの中には、コンパクトな逆回転防止機構(ラチェット)やその解除機構が組み込まれています。そして、これらを構成する個々のバネ、爪、歯車等は、とても繊細なものです。さらに、シフターの内部には、潤滑と防錆のために固めのグリスが塗布されています。

 シフターが動作不良を起こすのは、個々の部品が繊細であることと、それらが古いグリスによって固着してしまうことが原因です。このような故障は、自転車をしばらく屋外に放置してしまったような場合に起こりがちです。


2. 修理方法
 今回題材として使用するのは、私のジャンク部品コレクションの中にあったシマノ・デオーレLX(9速)です。トップから4段くらいまでしか変速しない状態でした。
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(デオーレLX。途中までしか変速しません・・。)

 裏蓋のネジを外して、中の機械が見えるような状態にしますが、これ以上分解はしません。茶色いグリスがこびりついています。
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(作業しやすいように、裏蓋のネジを外します。これ以上分解しません。)

 CRC556等の浸透潤滑剤をたっぷり吹き付けます。
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(「CRCスーパースター」を使ってみます。名前が違うだけで、556と同じです。)
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(たっぷりと吹き付けます。)
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(古いグリスと浸透潤滑剤でベタベタに・・。)

 シフトレバーを、何度もアップダウン操作して、各部品にこびりついたグリスを溶かします。
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(レバーをカチカチと操作して、各部品を揉んで固着を解きます。)

 しばらく操作を繰り返すと、ちゃんとトップからローまで変速できるようになりました。
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(あっけなく動作回復しました。)

 最後に、グリスを溶かすために使った浸透潤滑剤を拭き取って、滞留性のある潤滑剤をシフターの内部に塗布しておきます。潤滑と防水のためです。シマノのプレミアムグリスを塗っておけばよいでしょう。
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(滞留性のある潤滑剤を塗布します。オートバイ用のチェーンルブが便利。)


 今回紹介した方法は、故障原因と対処法の理屈が分かってさえいれば、シフターを分解することなしに、さらには裏蓋のネジすら外すことなしに、簡単に出来てしまいます。ラピッドファイアー型(又はそれに近い構造)のシフターであれば、細かな仕様が違っても、修理方法は共通です。お試しください。

 では、また・・。
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posted by 司法書士 前田 at 11:33| Comment(0) | 自転車

2015年06月17日

敷金等返還をめぐるトラブルについて

 不動産の賃貸借契約に伴って、賃借人から賃貸人に対して、賃貸料とは別の金銭が交付されることが一般に行われます。「敷金等」と呼ばれるこの金銭は、地方によってその呼称や性質についての理解が異なったり、当事者都合で解釈されたりすることも多いため、トラブルが絶えません。

 そこで今回は、敷金等について、その性質を理解するとともに、返還を実現する方法について整理してみましょう。
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*本稿において、建物の賃貸借の場合には、貸主を「家主」、借主を「借家人」と表記します。不動産一般の賃貸借の場合には、それぞれ「賃貸人」「賃借人」と表記します。



1. 敷金等とは
(1)敷金
 建物の賃貸借契約の際に、借家人から家主に対して、「敷金」が交付されるのが一般的です。敷金を直接定義した規定はありません(民法第316条等参照)が、民法上、敷金と言えば、賃貸借終了時点で、借家人が家主に対して負っている未払賃料債務や損害賠償債務を担保するための金銭を指すと解されています。

 したがって、敷金は、賃貸借終了(=建物明渡し)時点で、滞納家賃や建物損壊による賠償債務があれば、それらを控除したうえで借家人に返還されます。もちろん、借家人が何らの債務も負っていないのであれば、全額返還されるのが原則です。

 このように、通常、敷金は、担保としての目的を終えれば、家主から借家人に返還されることを予定されているのです。
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(2)礼金、敷引き、権利金、保証金
ア. 礼金
 「礼金」は、通常、建物賃貸借契約において返還義務のない金銭を指します。もともと礼金は、住居不足の時代、主に関東地方で、家を貸してくれた家主に対する感謝を表したことを起源としたものです。

 現在、礼金に感謝の意味などありません。そもそも対等な契約関係にある当事者の一方が、他方に対して感謝を義務付けられるというのは奇妙な話です。むしろ、現在の礼金は、家主から仲介業者に払うべき紹介手数料を借家人に肩代わりさせるための方便であったり、月々の家賃を安く見せるための手法(家賃の一部前払い)であったりというのが実情に近いように思われます。

 普通の住居の賃貸借においては、家賃の2〜3カ月分くらいまでの礼金が定められるのが一般的です。一方、店舗等の賃貸借においては、礼金が高額になることがあります。これには、場所的利益の対価、又は建物の損耗に対する賠償額の予定という意味があるものと考えられます。
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 礼金は、慣習に照らして妥当な金額であれば、返還義務がないと解されています。これに対して、法外な礼金の定めは、消費者契約法第10条や民法90条等によって無効となる場合が多いでしょう。礼金の定めが無効となれば、受け取った金額は、もちろん返還しなければなりません。

イ. 敷引き
 「敷引き」は、主に関西地方で、「礼金」に近い意味で用いられます。敷金のうち一定額を償却して、その返還義務を家主に対して免除するという意味から、このような表現が用いられます。賃貸借契約に敷引き条項が定められている場合には、敷金の返還義務の範囲について注意が必要です。

ウ. 権利金
 「権利金」は、主に土地の賃貸借において、場所的利益の対価、賃料の一部前払い、又は賃借権の譲渡許可料として授受されます。住宅地なら地価の3〜4割、商業地なら地価の7割以上、都心ならさらに高額に上ることがあります。

 権利金に返還義務が生ずるか否かは、その性質によります。

 権利金が賃料の一部前払いという性質のものであれば、実際に賃料に充当されなかった範囲については、賃貸人が返還しなければならないという結論になるでしょう。

 これに対して、権利金が場所的利益の対価という性質のものであれば、返還する義務はないとされています(最判昭和43年6月27日)。

 また、賃借権の譲渡許可料としての性質のものであれば、賃借人は差し入れた権利金相当額を回収することが容易であるので、賃貸人に返還義務はないという結論になるでしょう。

エ. 保証金
 「保証金」は、敷金の意味で用いられることも、礼金、敷引きや権利金の意味で用いられることもあります。返還義務の有無についても、上述の説明が当てはまります。


(3)一般的注意事項
 地方によって、さらに人によって、不動産賃貸借契約時に授受される金銭の呼称及びその性質は様々です。よって、呼称のみにとらわれることなく、授受される金銭の意味、並びに返還義務の有無及びその範囲を十分に確認したうえで契約を締結すべきことは言うまでもありません。また、確認事項を証拠化しておくことも、後のトラブルを防ぐために、忘れてはいけません。

 不動産の賃貸借契約を巡るトラブルが多発していることから、住宅行政を所管する国土交通省は、「賃貸住宅標準契約書」を作成・公開しています。内容の明瞭な契約書の普及によって、トラブルを未然に防止しようとするものです。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000023.html

 「賃貸住宅標準契約書」は、住宅の賃貸借トラブルの原因になるような諸事項について明確な規定を置いていますが、敷金等に関しては、以下の点を明示していることが重要です。
  ・敷金は、損害を担保する目的で授受される金銭である。
  ・家主は、借家人退去後に敷金を清算・返還しなければならない。
  ・賃貸住宅使用のために必要な修繕をなす義務は、家主にある。
  ・借家人の修繕義務は、借家人の故意・過失による損壊の場合にのみ生じる。
  ・明渡し時、借家人の原状回復義務は、通常使用に伴う損耗については生じない。
  ・返還義務のない「その他一時金」を区別して記載する。
  ・特約事項を定める場合には、区別して記載する。

 現在では、比較的ちゃんとした不動産業者は、建物の賃貸借の際に、「賃貸住宅標準契約書」をもとにした契約書を使うことが多くなりました。一方で、不動産所有者が、自己所有物件を直接賃貸する場合等には、契約書に好き勝手な定めを盛り込んでいる例も、いまだ散見されます。このような契約書にうかつにサインすれば、後でトラブルになることは目に見えています。
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2. 敷金返還請求権
(1)請求権が発生するのはいつか?
 敷金は、借家人の損害賠償義務を担保するものなので、損害が確定するまでは、返還額も確定しません。例えば、契約期間が満了しても、借家人が建物の明渡しをぐずぐず延期していたら、その間に、明渡し義務不履行による損害は拡大していきます。よって、敷金返還請求権が生じるのは、損害の確定する時、すなわち建物の明渡し時であると解されています(最判昭和49年9月2日)。

 
(2)借家人から敷金返還請求権を自働債権とする賃料債務との相殺主張
 賃貸借継続中に、借家人から、家主に対して、「敷金を賃料に充当してくれ」と主張することはできるでしょうか?つまり、敷金返還請求権を自働債権として、賃料支払債務との相殺を主張することが出来るかという問題です。

 当然ながら、このような主張は出来ません。賃借人が敷金返還を請求できるようになるのは、建物明渡し時ですので、それまでは敷金返還請求権は具体化していないからです。そもそも、賃貸借継続中に、借家人からの相殺の意思表示のみをもって、差し入れた敷金が目減りしてしまうのならば、敷金の担保としての意味がなくなってしまいます。


(3)建物明渡しとの同時履行主張
 では、借家人が、「敷金を返してくれるまでは、建物を明け渡さない。」と主張することは出来るでしょうか?つまり、敷金返還義務と建物明渡し義務が同時履行の関係に立つかという問題です。

 当然ながら、このような主張も出来ません。敷金は、建物明渡しまでに生じる損害を担保するものだからです。よって、借家人は、敷金の返還を請求するよりも先に、建物を明け渡さなければなりません(最判昭和49年9月2日)。


(4)敷金から控除される項目
 敷金が担保するのは、建物の使用対価としての損害(滞納家賃、賃貸借期間終了から明渡しまでの使用料)、及びその他損害(建物の損耗、迷惑行為による損害等)です。なかでも、敷金が、建物の損耗をどこまで担保するのか(=借家人の負担になるのか)という点について、賃貸借終了時に争いが生じます。

 この問題については、賃貸借契約の趣旨に遡って考える必要があります。

 賃貸借とは、「当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を払うことを約することによって、その効力を生じる」(民法第601条)という双務契約です。建物の賃貸借において、家主は、借家人に対して、建物を引き渡しただけでは、貸手としての「使用及び収益を相手方にさせる」義務を果たしたことにはなりません。すなわち、引き渡した建物を、使用収益させる状態に維持することも、家主の義務なのです。

 したがって、通常の使用で当然生じるような建物の損耗に関しては、それを修繕することは、使用収益させる側である家主の義務です。例えば、畳の日焼けや、壁紙の経年による退色、パッキンの劣化による水漏れ等の修繕費は、家主が負担すべきです。よって、これらの費用を、敷金から控除することは出来ません。

さらに、家主は、通常損耗を補修するのに必要な費用を含んだ水準で、容易に家賃を設定することができる立場にあるのです。それにもかかわらず、敷金からも通常損耗の修繕費を控除するのであれば、二重取りになってしまいます。
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 ひどい場合には、エレベーター等の共用部分の修繕費、日焼けした畳やクロスの張替、借家人退去後のリフォーム費用、空室補償等、何でもかんでも敷金から控除する旨を契約書に定めているような事例を目にすることがありますが、契約書に定めたからといって、そのような条項は無効です(消費者契約法第10条等)。

 ただし、例外的に、借家人が通常損耗を含む修繕費を負担することを条件として、破格に安い家賃で建物が賃貸されたような場合には、敷金からの控除が有効とされる場合はあるでしょう。

 他方、借家人の故意又は過失による建物の損耗を修繕する費用については、借家人が負担すべきです。例えば、喫煙したことに起因するクロスの黄ばみ、室内で暴れたことによる建物の損壊等の修繕費用は、敷金から控除してかまいません。



3. 敷金返還を実現するための手段
 借家人が建物を明け渡し、家主に対して敷金の清算・返還を請求したところ、家主が、不当な原状回復や損害賠償を主張して、敷金の返還を拒絶するというトラブルが後を絶ちません。さらには、家主が、借家人に対して、敷金から控除しきれなかった法外な原状回復費用を請求することもあります。

 借家人が、このような悪質な家主に対して返還請求を行うには、以下のような方法が考えられます。
  ・訴訟(通常・少額)
  ・支払督促
  ・民事調停
  ・ADR

 上記のうち、両当事者の話し合いの可能性があるのならば、民事調停やADRを利用するのがよいでしょう。民事調停は、簡易裁判所で、調停委員会の手助けのもと当事者が和解する手続きです。成立した和解内容を記載した調停調書には、執行力があります(民事調停法第16条等)。つまり、調停調書を債務名義として、債務者の財産に強制執行をかけることが出来るということです。

 ADR(alternative dispute resolution 裁判外紛争解決手続)は、民間の紛争解決機関を利用した和解・仲裁手続です。民間といっても、中立な専門家をはさんで話し合えば、妥当な和解成立を期待することもできるでしょう。ただし、成立した和解契約に執行力はありません。これに対し、当事者の仲裁合意(=民事上の紛争の解決を第三者にゆだねる旨の合意)に基づいた、紛争解決機関の仲裁判断には、一定の条件のもと執行力があります(仲裁法第45条1項等)。このような紛争解決機関には、弁護士会、司法書士会、その他の職能団体の運営する各種機関が存在します。

 支払督促は、簡易裁判所の書記官を通じて、債務者に履行を請求する手続きです。支払督促は、簡易迅速に債務名義を得るための制度ですが、債務の存在自体に争いがあるような場合には利用すべきではありません。その理由について、本稿では省略します。

 話し合う余地が無い場合には、借家人が、家主を相手取って、裁判所に敷金返還請求の訴えを起こすことも検討されます。返還請求する敷金の額が60万円以下の場合には、通常訴訟の他に、少額訴訟を利用することも可能です。

 少額訴訟は、1期日で審理を終え、即日判決が言い渡される簡易迅速な訴訟方式です(民事訴訟法第370条)。争点と言えるような争点が無く、証拠が十分揃っているような事件では、原告たる借家人にとっては、少額訴訟を選択するメリットがあります。さらに、少額訴訟の勝訴判決を債務名義とする執行手続きにおいても、簡易迅速な手続きを利用することができます(民事執行法第167条の2)。

 他方で、被告となる家主にとっては、少額訴訟を利用するメリットは何もありません。そこで、少額訴訟を提起されても、被告から一方的に、通常訴訟への移行を申立てることが出来るようになっています(民事訴訟法第373条)。よって、原告は、被告による移行申立てが予想されるのであれば、最初から通常訴訟を提起するほうが賢明と言えるでしょう。

 また、争点が複雑であったり、証拠方法が多岐に及んでいたり、債務の存在が激しく争われていたり、被告からの反対請求が予想されていたりする場合には、少額訴訟は適しません。そのような場合には、通常訴訟を提起すべきです。
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posted by 司法書士 前田 at 09:50| Comment(0) | 金銭トラブル

2015年06月12日

破産者の財産について

 破産する(破産開始決定を受ける)と、破産者の財産はどうなってしまうのでしょうか?また、破産者の財産の多寡によって、破産手続の進め方はどのように変わってくるのでしょうか?このような疑問は、破産申立てを検討している債務者にとっても、相手方である債権者にとっても気になるところです。

 そこで、今回は、破産者の財産に注目しながら、破産という制度について考えてみましょう。



1. 破産とは
(1)破産というルールがないとどうなるか?
 債務者が、自らの負う債務を継続的に弁済することができない状態(=支払不能)に陥った場合、放置しておけば、債権者が我先に債務者の財産を奪い取っていくような事態を生じかねません。すなわち、債権者が個別に、債務者財産に強制執行をかけることもあるでしょうし、トラックで債務者宅に乗り付けて財産を根こそぎ持ち去ってしまうこと(=自力救済)もあるでしょう。しかし、これでは、偶々いち早く債権回収を始めた債権者と、出遅れてしまった債権者との間に不公平が生じてしまいます。

 さらに、このような個別の債権回収にさらされた債務者は、夜逃げや自殺等の極端な行動をしてしまうかも知れません。そうなれば、債務者は、更生の機会を失ってしまいます。
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(2)包括的執行という意味
 上記(1)のような不都合を避けるため、破産手続は、全ての債権債務関係の処理及び債務者財産の清算を、一つの手続きでまとめて行う仕組みになっています。

 すなわち、破産開始決定があると、「破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産は、破産財団と」なり(破産法第34条1項)、破産管財人の管理下に置かれることになります(破産法第79条)。この反対効果として、破産者自身は、破産財団に属する財産を自由に利用・処分等することはできなくなります。

 破産手続開始以降、破産管財人のもとで、破産財団に属する財産の管理及び換価、並びに債権者への配当等の手続きが進行します。債権者が破産財団を構成する財産に対して個別に執行することは出来ません(破産法第42条)。要するに、破産とは、「破産債権者団」対「破産財団」という対立的枠組みの中で、清算的処理を行う手続き(=包括的執行)であると考えることが出来ます。

 「破産手続開始の時」を基準として執行対象となる破産財団が定められることから、破産者がその「後」に取得した財産(=新得財産)については、包括的執行の対象にはなりません。例えば、破産者が破産開始決定後に支給をうけた給料については、破産者が自由に使うことが出来ます。
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(3)執行対象の財産がない場合
 上記(2)のように、包括的執行が破産手続の中心であるとするのならば、執行対象となる財産がないような場合にまで、破産手続を行うことに意味があるのでしょうか?

 この疑問に対しては、執行すべき財産がなくても、破産手続を続けることに意味がある場合もあると答えることが出来るでしょう。

 例えば、会社等の法人が破産する場合には、財産の有無に関わらず、破産手続終了までは法人格が消滅しません(破産法第35条)ので、破産手続を経なければなりません。また、破産手続の中で、債権債務関係や財産をきちんと調査をしなければ、破産財団を構成する財産が無いとは分からないこともあります。さらに、浪費や賭博などの原因によって破たんに至った破産者に対して、破産管財人による観察と指導を行うことによって、破産者を更生に導くこともあります。よって、一見して財産が無いからと言って、破産手続が要らないとは必ずしも言えないのです。

 とはいえ、自然人が自ら申立てて破産(=自己破産)する多くの場合にそうであるように、はじめからどう見ても財産のないことが明らかであるような場合に、わざわざ形式上だけ破産手続を続けることにやはり意味のないことも多いのが事実です。

 そこで、「裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない」(破産法第216条1項)とされています。このような処理を行う破産事件を、「同時廃止事件」と呼びます。これに対して、原則通り破産財団の清算処理を行う破産手続のことを「管財事件」と呼びます。

 同時廃止とは、破産手続の開始を宣言すると同時に、その終了を宣言するということです。破産手続が同時廃止されると、破産者財産の清算については問題にはなりません。清算するような財産が無いのだから、当然です。

 同時廃止後は、破産者の免責手続(破産法第12章)のみが残りますが、本稿ではこれについては述べません。
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2. 自由財産とは
 破産開始決定がなされると、破産者の有する「一切の財産」が清算処理に回されてしまうと規定されています(破産法第34条1項)。ここだけ見ると、破産者は文字通り一文無しになって、食べていくことすらできなくなってしまうかのようですが、決してそんなことはありません。

 破産しても、破産者の生活に最低限必要なものとして、自由に管理処分できる一定範囲の財産(以下、「自由財産」という。)を保持することが認められています(破産法第34条3項、同条4項)。それは以下のようなものです。
  ・99万円以下の現金
  ・差押禁止財産(例:家財道具、年金や退職金債権等の一定割合)
  ・裁判所の決定により自由財産とされた財産

 つまり、破産しても、数か月暮らしていけるだけの現金を持つことは法律上許されています。そのうえ、新得財産(上記1(2))については、もともと破産手続に関係なく自由処分できるので、破産しても会社勤めなど続けて生活していくことが出来ます。家財道具も奪われることはありません。

 また、各地の地方裁判所で、換価価値の少ない財産(実務上、20万円以下とされます。)については、現金と合計して99万円の価値に達するまで、当然に自由財産の拡張があったものとする実務上の取扱いがなされるのが一般的です。例えば、査定額が20万円以下の中古自動車や、解約払戻金額が20万円以下の保険契約等がこれに当たります。これらについては、破産財団を構成しないので、破産者が管理処分することが出来ます。

 さらに、一旦破産財団に入った財産であっても、簡易迅速に破産処理を進める必要性等から、破産管財人によって放棄(破産法第78条2項12号)されることもあります。放棄された財産については、破産者(自然人の場合)の自由財産になります。

 自由財産という概念は、本来、破産開始時点で破産者の有する財産を、包括的執行の対象財産(破産財団)と対象外財産(自由財産)とに分類するためのものです。よって、自由財産が生じるのは、破産財団が形成される場合のみ、即ち管財事件においてのみです。

 これに対して、同時廃止事件においては、もともと、破産者の財産管理権が失われることがない(=破産財団が形成されない)ので、自由財産は生じません。不自由財産である「破産財団」というものが生じないのですから、わざわざ「自由財産」という項目を立てる必要がないのは当然です。

 しかし、本来の意味の「自由財産」とは別に、同時廃止事件においても「自由財産の範囲」は問題となります(下記3(1))。



3. 実務上の問題
(1)同時廃止の選択基準
 破産事件を、管財事件とするか、又は同時廃止事件とするかを分ける主要な基準は、財産の多寡にあります。破産者の財産が多ければそれを換価・配当する(管財事件)必要があるのに対して、配当する程の財産が無ければ早期に破産手続を終了させて(同時廃止事件)しまう方が良いからです。

 同時廃止すべき場合とは、「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足する」(破産法第216条1項)ときです。この「破産手続の費用」の最低限を画する基準は、破産管財人の報酬です。すなわち、破産財団を換価しても管財人報酬(少額管財事件において20万円程度)にすらとどかない場合には、同時廃止処理すべきということです。

 しかし、たとえ破産者が合計20万円を超える換価価値のある財産を持っていたとしても、それが当然に「自由財産の範囲内」にすぎないのであれば、管財事件として破産手続を続けても意味がありません。自由財産となれば、破産債権者への配当にも、管財人報酬にも充てられないからです。

 例えば、破産者が、退職金債権(評価額20万円以下)や中古自動車(評価額20万円以下)等を持っていたとしても、それらの価値が手持ちの現金と合計して99万円以下しかないのであれば自由財産となってしまう(上記2)ので、管財事件として破産手続を継続する意味がありません。このような場合には、同時廃止事件として処理すべきでしょう。


(2)現金と普通預金
 普通預金は、あたかも「現金を入れた財布」のように用いられますが、法律的には金融機関に対する預金債権の一種です。では、破産者の財産が、普通預金30万円と現金20万円のみであった場合、同時廃止できるでしょうか?

 普通預金と現金が実質的に同じであることを重視するならば、破産者は自由財産範囲内である合計50万円の現金を持っているのと同じですから、同時廃止できるという結論になるでしょう。

 これに対して、預金債権と現金とが別種の財産権であることを重視するならば、30万円の預金債権は、破産手続を経て換価するか、又は自由財産拡張決定を経る(破産法第34条4項)必要のある財産という結論になるでしょう。管財事件として破産手続を継続する必要があります。

 実務が上記どちらの立場に立っているのかは、各地裁によって異なります。ここでは、特定の地裁の取扱について言及しません。


(3)按分弁済
 破産者が項目別に20万円を超える財産を持ってはいるけれども、現金と合計すれば99万円以下の価値しかないような場合はどうでしょうか?

 例えば、破産者の財産として、現金50万円、保険解約払戻金請求権30万円、及び中古自動車(評価額15万円)があるような場合を考えてみましょう。ここで、保険解約払戻金請求権が20万円を超えている点が問題となります。

 原則通り、管財事件として処理されるならば、破産者は、手持ちの現金の中から管財人報酬を支払ったうえで、保険金払戻請求権については全額について自由財産拡張の申立てをします。そのまま自由財産拡張が許可されると、破産財団を構成する財産が無くなってしまうので、破産手続は終了する(=異時廃止)ことになるでしょう。このような処理は、手続的には正しいのでしょうが、実質的には、管財人に報酬を払うだけの手続でしかないようにも見えます。

 そこで、破産者の申立代理人等が、裁判所の指示のもと、保険解約払戻金相当額を、破産債権者に対して按分に配当し、破産手続を同時廃止させるという処理(=按分弁済)が行われることがあります。つまり按分弁済においては、申立代理人等が、臨時の管財人として、簡易に清算処理を行ってしまうのです。これならば、破産者が管財人報酬を払う必要はないし、債権者もいくらかの配当を受けることが出来るわけです。

 しかし、按分弁済は、法律に規定のない便宜的な処理です。よって、各地裁によって按分弁済の採否及び運用基準には大きな差があります。ここでは、特定の地裁の取扱について言及しません。
job_bengoshi.png


(4)オーバーローンの不動産
 破産者名義の不動産が存在する場合でも、必ずしも管財事件として処理されるというわけではありません。破産者が経済的破綻に至る過程で、すでに担保権が何重にも設定されて、当該不動産が実質的には無価値になっていることも多いからです。

 被担保債権の合計額が当該不動産の換価価値を大幅に超える状態(=オーバーローン)であることが明白であると言えれば、同時廃止できることもあります。その判断基準の詳細については、本稿では述べません。
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posted by 司法書士 前田 at 10:59| Comment(0) | 金銭トラブル

2015年06月08日

1×9(ワン・バイ・ナイン)もわるくない

 最近、マウンテンバイクやシクロクロスで注目されているフロントシングルの変速システム(1×10「ワン・バイ・テン」等と呼ばれます。)ですが、私を含め、フロントの変速操作を煩わしいと思っていたズボラ達は、結構昔から自己流でやっていました。

 今回は、前後ギアの組合せ(ギア比)についての基本的考え方と、高価な専用システムを使わずに出来るフロントシングル化について紹介してみたいと思います。


1. ギア計算表を眺めて考える
 さて、問題です。トリプルクランク(前ギア板3枚)に9段のスプロケット(後ギア板9枚)を組み合わせた場合、何段変速になるでしょうか?

 単純に考えると、3×9=27段変速というのが正解でしょう。しかし、実用するギア比を基準に考えてみると、これでは正しくないことに気づかされます。試みに、シェルドン・ブラウンのギア計算表( http://www.sheldonbrown.com/gears/ )を使って、考えてみましょう。
無題0.png
(シェルドン・ブラウンのギア計算入力フォーム。)

 この計算表は、ホイールサイズ、クランク長、チェーンリング構成、スプロケット構成を順次入力していくだけで、実用ギア比やケイデンス対応時速等を自動計算してくれるという優れものです。使用するタイヤサイズやクランク長等の細かい設定をできるので、自転車に乗りながらなんとなく感じていることを、正確な数値として認識することができます。

 さて、私は自分のMTBのデータを以下の通り入力しました。
  ・ホイールサイズ:26×1.25inch
  ・クランク長:175mm(今回、このデータは意味なし)
  ・ギア単位:ケイデンス100rpmでの時速(km/h)
  ・チェーンリング構成:42丁/32丁/22丁
  ・スプロケット構成:シマノ9速 12丁−25丁

 計算結果は、次の表です。例えば、アウターのチェーンリング(前42丁)とトップのスプロケット(後12丁)の組合せを使った場合には、ケイデンス100rpmで時速41.0qの速度が出るということになります。
無題.png
(100rpmの時の時速を計算。)

 さて、この計算表から、実用ギア比の組合せを抽出していくのですが、そのやり方は、次の通りです。
  @使用してはいけない組合せを除く
  A重複した結果(時速)の組合せのうち一方を除く
  B滅多に使用しない組合せを除く

 先ず、@使用してはいけないギアの組合せとは、アウターのチェーンリング(前42丁)とローのスプロケット(後25丁)組合せ、及びインナーのチェーンリング(前22丁)とトップのスプロケット(後12丁)の組合せのことです。なぜ使用してはいけないかと言うと、これらの組合せにおいてはチェーンラインがよじれてしまって、ドライブトレインを構成する各部品に大きな負担がかかるからです。当然、チェーンが切れやすくなったり、ギア板の摩耗が早くなったりといったトラブルが起こります。そこで、計算表のこれらの組合せに「×」をします。

 次に、A時速1km/h以内の差しかないギアの組合せは、意味がないので、そのうち一方を「\」で除きます。便宜上、ミドルのチェーンリング(前32丁)の列を優先して残しておきます。

 上記@Aの結果、次表が得られます。このように意味のないギアの組合せを除くと、3×9=18段変速ということになるということが分かります。
無題2.png
(意味のないギアの組合せを除くと、意外と少ない変速数に。)

 さらに、B普段ほとんど使用されることのないインナーのチェーンリング(前22丁)の組合せを除いたものが次表です。ここまですると、実用に適したギア比の組合せは、14通りしかないということになってしまいます。27段変速のつもりで買った自転車なのに、実用ギア比の組合せを考えていくと、結局14段変速だったということです。
無題3.png
(普段使用しないギアの組合せまで除くと、実用変速は驚きの少なさに。)

 同様の考え方は、ロードバイクのダブルクランクにも当てはまります。是非皆さんも、一度、愛車のギア比について計算してみることをお勧めします。例えば、コンポ一式を9速のソラから、11速のデュラエースに苦労してアップグレードしたけれど、実用ギア比は大して変わらなかったなんてことが発覚するかもしれません。


2. フロントシングルで行こう!
 最近、マウンテンバイクやシクロクロスの分野で、フロントシングル構成の変速システムが注目されているみたいです。「みたいです」と曖昧な言い方をしたのは、年季の入った自転車に乗っている私にとっては、最新のトレンドは異次元の話のように聞こえるからです。
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(スラムxx1のクランクセット。)
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(スラムxx1のスプロケット。10丁−42丁という超ワイドレシオ。)
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(スラムxx1のリアディレイラー。)
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(スラムxx1のシフター。)

 フロントシングルが見直されている理由は、まず第1に、フロント変速機のトラブルというデメリットを考慮したものでしょう。第2に、フロント変速機が無いことによる、フレーム設計の自由度を広げることにあるのでしょう。しかし、上記1の話からも分かる通り、やたらと多くのギア板をくっつけたからと言って、実用ギア比の組合せが増えるとは限らないのですから、チェーンリングが1枚で十分という実用志向の考え方が生まれてくるのは、とても健全なことのように思われます。

 ここでは、フロントシングル専用設計のフレームや変速装置一式を使うことを除外して、普通の安いMTBをフロントシングルにする方法を紹介します。

 誰でもすぐに思いつくのは、フロント変速装置(シフターとディレイラー)を撤去し、アウターとインナーのチェーンリングを撤去することです。結局、ミドルのチェーンリングだけが残ることになります。しかし、事はそんなに単純ではありません。
DSC_0026.JPG
(左がシングル用、右が変速用。変速用はチェーンが外れやすい。)

 もともと変速用に作られているチェーンリングは、歯が浅く、変速用のピンや凹凸もついています。つまり、変速しやすいということは、チェーンが落ちやすいということでもあるのです。前ディレイラーのケージが無くなったところに、変速用のミドルリングをそのまま使うだけでは、チェーンが少しでも暴れれば、必ずチェーンが落ちてしまいます。チェーン落ちは、後輪がロックしたり、バランスを崩して転倒したりする原因になるので非常に危険です。

 そこで、チェーン落ちを防止しなければなりません。取りうる対策は、3つあります。

 一つ目は、フロントシングル専用のチェーンリングを使用することです。最近は、ナロー・ワイド形状(チェーンのリンクに合わせて、交互に違う厚みの歯をした形状)をした専用品があるので、これを利用すればよりチェーン落ちしづらくなります。
Race-Face-Single-Chainring-Narrow-Wide-Chainrings-Black-RRSNNW104X30BLK-0.jpg
(レースフェイスのナロー・ワイド形状のチェーンリング。)
Race-Face-Single-Chainring-Narrow-Wide-Chainrings-Black-RRSNNW104X30BLK-2.jpg
(チェーンのインナーリンクとアウターリンクにしっかり嵌まる形状。)

 二つ目は、チェーンデバイスを使用する方法です。チェーンがチェーンリング周囲で暴れるのを押さえてくれますが、チェーンがデバイスに常時接触してしまうという難点があります。
00628597_4_M.jpg
(チェーンデバイスをつけたイメージ。大げさなに見えるが、フルサスバイクには必要なことも・・。)

 三つ目は、バッシュガードとチェーンウォッチャーを使って、左右からチェーンを挟むというものです。これは、チェーンが万一暴れた時だけ、チェーンを補正する方法です。
DSC_0003.JPG
(私の別のMTB。チェーンが暴れたときに、チェーン位置を正しく補正する。)

 上のいずれの方法を使うにせよ、チェーンの全長は必要最低限にすべきです。なぜなら、チェーンが長ければ、それだけチェーンの暴れる程度がひどくなってしまうからです。よって、後ディレイラーはショートケージ又はミドルケージのものを使用し、スプロケットはあまりワイドレシオになりすぎないようにするのが無難です。最近のフロントシングル構成の専用コンポでは、ロングケージの後ディレイラーに加え、極端なワイドレシオのスプロケットを使っていますが、真似しない方が良いと思います。

 私は、もともと三つ目の方法で愛用のMTBを3台ともフロントシングル化していました。今回は、安いフロントシングル専用のチェーンリングが手に入ったことから、一つ目の方法を試してみることにしました。
DSC_0004.JPG
(今回、チェーンリングを交換するMTB。バッシュガードと不格好なチェーンウォッチャーがついている。)

 今回使用するタイオガのチェーンリングは、PCD(チェーンリングボルトの中心を結んだ仮想円の直径)104mmですが、アウター部(トリプルクランクの一番外側)に装着するためのものなので、そのままではミドル部には装着できません。そこで、クランクのミドル部の干渉箇所をヤスリで削ることにしました。
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(アウターとミドルでは、同じPCDでも寸法が若干違う。)
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(ミドルにアウター用のチェーンリングは装着できない。)
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(削っちゃえ!)

 もちろん、このような加工をしなくても、ボトムブラケット軸長を片側4〜5mm程度短いものに交換できれば、それで良いでしょう。要は、チェーンラインの歪みが大きくならない位置にチェーンリングを装着したいだけなのです。

 チェーンリングボルトには、長さが各種あります。今回は、シングル用の短いものを使用します。
DSC_0031.JPG
(左がシングル用、右がダブル用。)

 クランク周りに何もなくなったので、見た目がすっきりしています。重量も多少軽くなりました。と言っても、あまり重量を気にしていなかったので、測り忘れました。
DSC_0033.JPG
(クランク周りがすっきり!)


3. 試走
 平成27年6月6日、近畿地方が梅雨入りした後の貴重な晴れ間を使って、いつものトレーニングコースである表六甲線を登ってきました。

 チェーンリングを32丁から36丁に変更し、スプロケットは11丁−25丁でそのままなので、勾配のきつい区間ではローギアに入れてもかなり重く感じるようになりました。それでも、遅いなりに登れてしまいます。
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(朝まで雨が降っていたおかげで、空気が澄んでいる。)

 登りでクランクに力が掛かっている時も、高速の下りで道路の凹凸にのった時も、チェーンが外れるような気配は感じませんでした。これから、色々なところを走ってドライブトレインの様子を確認する必要はありますが、今のところ快調と言えましょう。

 では、また・・。
DSC_0006.JPG
(ついでにスプロケット掃除。汚れたら行う。)
DSC_0011.JPG
(ついでにホイール振れの微調整。1年に1回くらいは確認だけでも行う。)
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(ついでにハブのグリス入れ替え。走行状況に応じて行う。)
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(玉あたり調整。グリスアップのついでに行う。)
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posted by 司法書士 前田 at 17:26| Comment(0) | 自転車