2015年09月28日

フルリジッドのMTBで行こう!(後編)

 今回は、スペシャライズド・ロックホッパー1999のフロントフォーク交換の手順について紹介します。


1. 取り外して比較
 先ず、古いマニトウのサスペンションフォークを取り外します。フォーク周りのネジを順に外すだけなので、具体的な方法は省略します。ヘッドベアリング周辺部品の取り付け順序を間違えないように、外した順序を覚えておきます。
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(フォーク周辺部品を取り外す。似たような部品が多いので、取り付け順序を整理しておく。)

 取り外したサスペンションフォークと、これから取り付けるリジッドフォークを比較してみます。並べてみると、加重していないサスペンションフォークと、リジッドフォークの肩下長(下玉押しからハブ軸までの長さ)がほぼ同一であることが分かります。乗車して自然加重した状態で、サスペンションフォークを10mm程度沈む(サグ)ように設定してあったので、リジッドフォークに交換した場合の乗車姿勢は、10mm程度前上がりになるはずです。この程度のフォークの高さの変更であれば、乗車姿勢に関して殆ど差を体感することはありません。
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(二つ並べてみれば、サイズの相似がはっきり分かる。)

 次に、重量については、サスペンションフォークが1711gであるのに対し、コラム切断前のリジッドフォークが1511gでした。後ほど、コラムを56g分切断したので、フォーク交換によって、256gの軽量化をすることになります。
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(もともと軽くて性能の良いマニトウ・スパイダー。1711g。)
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(丈夫さで選べば、選択肢はこれに絞られる。しかし、1511gとは・・。)
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(切断したコラムが56g。結局200+56gの軽量化。)

 もともと、マニトウのフォークが軽量であったため、重量のあるクロモリのフォークと交換しただけでは、大した軽量化にはなっていないことが分かります。ちなみに、モッソのアルミ製フォークの重量は800g程度だそうですので、軽量化を重視したい人は、そちらにすることをお勧めします。



2. 組付け手順
(1)下玉押しの取り外し
 今回は、下玉押し(クラウンレース)を再利用します。下玉押しは、フォークコラムの下部に圧入されているので、下玉押し下部の隙間にタガネを当てて、ゴム槌で叩いて外します。
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(こんな風に、タガネをあてて下玉押しをはじき出す。)


(2)フォークコラムの切断
 そのままのフォークコラムは長すぎるので、適当な長さに切断する必要があります。ここで、私は、パイプカッターを使用して切断を開始しましたが、刃が摩耗してしまい、替刃を在庫していなかったために、途中からやむを得ず金属ノコギリ(ハックソー)で切断することにしました。
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(パイプカッターの替刃を在庫していなかった・・。)
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(金属ノコギリで切断。切断線の目印として、ビニールテープを巻いてある。)

 金属ノコギリを使用する際には、切断面が垂直になるように、ソーガイドを使用するのが正しい方法です。しかし私は、ソーガイドを使わずに、ビニールテープで目印をつけて切断しました。
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(パイプを垂直に切断するにはソーガイドを使うのが便利。)

 切断面は、ヤスリをかけてきれいに仕上げます。
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(ヤスリでエッジを丸めてきれいにする。)
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(美しい仕上げ!)


(3)下玉押しの圧入
 フォークコラムの下部は、コラム本体よりも若干太くなっています。下玉押しは、この太くなった部分に圧入して固定します。
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(下玉押しを圧入する前に、コラム下部にグリスを塗っておく。)

 圧入に使う道具は、内径30mmの塩ビパイプとゴム槌です。塩ビパイプを下玉押しにあてて、フォークコラムに打ち込みます。このように仕組みを説明すれば、簡単な作業のように聞こえますが、下玉押しの圧入は、難しい作業の一つです。
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(自家製の下玉押し圧入工具、と言っても、ただの塩ビパイプ。)
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(塩ビパイプを、ガチコンガチコンと叩くのみ・・、そんなに簡単ではない。)
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(格闘の末、下玉押しの圧入成功。)



(4)スターファングルナットの打込みとフォークの装着
 フォークの装着作業は、ベアリングやスペーサーの順番を間違えないように行います。

 フォークコラムをヘッドチューブに挿入してから気づいたのですが、スターファングルナットを打込むのを忘れていました。スターファングルナット(アンカーナット)とは、バネの力によってヘッドベアリングのアタリを適正に保つための部品です。
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(フォークをヘッドチューブに通した後に、スターファングルナットを打ち忘れたのに気付いた。)

 スターファングルナットをコラムに垂直に打ち込むためには、専用工具(スターナットセッター)を使用することをお勧めします。専用工具がなくても出来ない作業ではありませんが、失敗する可能性が高くなります。
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(専用工具があると、スターファングルナットの打込みに失敗することはない。)
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(角度も深さも最適な位置に打ち込んだ。)
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(アンカーボルトを適度に締めて、ベアリングのアタリを最適化する。)
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(緩んで欲しくないネジには、中強度のネジ止め剤を塗っておく。)



3. 試走
 2015年9月19日、午前中にフォーク交換の終わったロックホッパーで表六甲線を登ってみました。
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(いつもの表六甲線。季節はいつの間にか秋に・・。)

 走ってみると、狙い通りの乗り心地です。乗車姿勢の変化は、ほぼ感じません。

 サスペンション付きの自転車では、登坂時のペダリングロスを指摘されることが多いようですが、私はもともと気にしていなかったので、リジッドフォークに交換したからと言って、ペダリングの効率が上がったとは感じませんでした。

 それよりも、はっきりと向上を実感できたのは、不自然な挙動が無くなったことです。特に減速時や旋回時に、タイヤがしっかり踏ん張っていると感じるようになりました。

 サスペンション無しの方がタイヤの接地感が増すというのは、矛盾のように思われるかも知れません。しかし、サスペンション単体で20万円以上するような高級品ならいざ知らず、安い自転車のサスペンションなんて、結局その程度のものなのです。
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(すっきりとした姿に。単純であるのが美しいと思う。)


 フォークを交換したついでに、久しぶりに車体重量を測ってみることにしました。これまで色々と弄ってきた車体は、キックスタンドやペダル等を含めても、11sをだいぶ割り込んでいました。古いエントリーレベルのMTBにしては、かなり軽いと思います。と言っても、軽量化を目指したわけではなく、乗り易く故障しにくい自転車にしただけなのですが・・。
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(アートサイクルスタジオの26インチMTB?ベーシックなものは消費者受けが良くない時代。)
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posted by 司法書士 前田 at 18:26| Comment(2) | 自転車

2015年09月24日

フルリジッドのMTBで行こう!(前編)

1. リジッドフォークもいいもんだ
 1990年代末ころから、MTBの完成車には、当たり前のようにサスペンションフォークが装備されるようになりました。今では、リジッドフォークのMTBなんて、ルック車に至るまで、ほとんど見かけなくなりました。
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(アラヤのマディフォックス。珍しいフルリジッドMTB完成車。さすがアラヤさん。)

 しかし、バイシクルトライアルやBMXの分野では、今でもリジッドフォークが主流であることからも分かる通り、自転車の使い道によっては、リジッドフォークの方が扱いやすい場面というのは沢山あるのです。いやむしろ、競技者でない普通の人がMTBに乗る場合、下手なサスペンションフォークよりはリジッドフォークの方が、大抵の場面において扱いやすいと言ってもいいくらいです。

 私も、もともとリジッドフォークが好きで、リジッドフォークのMTBを所有してもいます。サスペンション付きのロックホッパーも、いつかはリジッドフォークにしようと思っていました。しかし、フォークの換装となると、お金もかかることだし、なんとなく先延ばしにしていたのです。
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(authorのa-gangのフレームに太いアルミのリジッドフォークを組んだ。)

 ところで、最近になって、MTBのホイールサイズが、これまで主流だった26インチから、27.5インチ(650b)や29インチ(700c)に変更され、主要自転車メーカーは26インチMTBの生産を止めてしまいました。その他にも、メーカー側の事情で、短期間のうちに、様々な自転車部品の規格が登場しました。これに伴って、26インチMTB用のパーツの選択肢は激減してしまいました。

 「欲しい部品は、今買っておかないと、今後は中古品で探すしかなくなってしまう。」そう思ったのが、今回、リジッドフォークへの換装を決めた理由です。


2. 候補
 フォークを換装する際に注意しなければならないのは、自転車のジオメトリ(=配置)を出来るだけ変えないようにすることです。ここ15年くらいの間に製造されたMTBは、ほとんどサスペンションフォークを装着することを前提としてフレーム設計されているので、肩下が長めのフォークに対応するようになっています。

 ロックホッパーにもともと付いているサスペンションフォーク(マニトウ製スパイダー)は、肩下430mm、トラベル698mm、サグ(自然加重での沈み込み量)約10mmですので、換装するリジッドフォークも、420±10mm程度であれば、ほとんどジオメトリの変更はないことになります。
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(スペシャライズド製ロックホッパー1999。当時としては良く出来たサスペンションフォーク。)

 この条件に合うリジッドフォークを探してみましたが、新品で手に入るものは、モッソのアルミ合金製フォーク(肩下410mm)か、バズーカのクロモリ製フォーク(肩下430mm)くらいしかありませんでした。良さそうなものをネットで見つけても、たいていは欠品になっていました。バズーカのフォークも、今年の8月末までずっと欠品が続いていました。ちょっと前までなら、性能の良いアルミフォークも売られていたはずですが、もう製造されていないのでしょうか?
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(MOSSOのアルミ合金MD5フォーク。幅広でカッコいい。)
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(BAZOOKAのクロモリフォーク。頑丈そうだけど、重いよ。)

 私は、不整地もたまには走るし、手荒な扱いもするに違いないので、頑丈そうなバズーカの方を買いました。モッソのフォークも、ブレード(刃)形状で、カッコいいと思います。
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(2015年9月5日、妙見山の沢登り。山頂まで自転車を担ぎ上げた・・。)


後編に続く・・。
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posted by 司法書士 前田 at 17:01| Comment(2) | 自転車