2016年04月20日

何者?:サービサーとは

 「サービサー servicer 」という会社(又は業種)を現すカタカナ言葉を聞いたことのある人は多いかも知れません。しかし、サービサーが何をする会社なのかを知っている人は、それ程多くはないでしょう。そこで、今回は、サービサーについて整理してみました。



1. サービサーとは
(1)サービサー制度創設の趣旨
 サービサーとは、不良債権を金融機関等(金融機関の他にリース会社やクレジット会社等)から買い取ったり、金融機関等からの委託を受けたりして、債権回収・管理を専門として行う法務大臣の許可を受けた民間の株式会社のことを指します。

 もともと債権回収業務は弁護士に専属(弁護士法第3条等)し、弁護士以外の者がこれを行うことは出来ませんでした。しかし、1990年代のバブル経済崩壊後、金融機関等の不良債権処理が停滞したことから、1998年、不良債権処理の分野に民間会社の参入を認める制度創設を内容とする「債権管理回収業に関する特別措置法」(以下、「債権回収業法」という。)が成立しました(1999年施行)。債権回収業法は、債権回収・管理に関する弁護士法の特例ということになります。

 2016年4月現在、全国でサービサーは86社存在します。一時期は100社を超えていたことを考えると、バブル時代の不良債権の処理が終了し、サービサーの仕事が減ったということなのかも知れません。


(2)規制と監督
 債権回収という言葉に、あまり良いイメージを持たない人も多いはずです。それは、かつて暴力団等が無茶な債権の取り立てをして社会問題化したことを、多くの人が記憶しているためです。
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 そこで、債権回収業法は、サービサーに対する、規制や監督についての規定を中心として構成されています。

 まず、株式会社が債権管理回収業を営むためには、法務大臣の許可を受けなければなりません(債権回収業法3条)。許可の要件として、一定の資本金額(5億円以上)、役員や人的構成(暴力団関係者を排除していることや、常務取締役として必ず弁護士を入れなければならないこと等)が満たされていなければなりません(債権回収業法第5条等)。

 また、業務遂行の適正が図られるように、威迫的取立てが禁止されていたり、法定利率超過約定の債権について引き直し計算が強制されたりといったきまりがある(債権回収業法第17条、第18条等)のはもちろんのこと、法務大臣や警察庁長官による立ち入り検査等を受けることもあります(債権回収業法第22条)。

 これらは民間会社に対する規制・監督としては比較的厳しいものです。よって、今日、サービサーが行う債権回収業務について、かつて暴力団が行っていた債権回収のイメージを重ねるのは不当であると言えるでしょう。


(3)サービサーに関わる場面は?
 一般の人が普通に生活している限り、サービサーに関わることはほとんどありません。とは言え、誰にとってもサービサーに関わる可能性は身近に溢れています。

 例えば、住宅ローンを滞納してしまったという状況を考えてみましょう。債権者である銀行や保証会社は、担保権を実行する等して、先ずは出来る限り債権の回収を試みるでしょう。しかし、全額回収する見込みが無くなってしまった場合(債権の引き当てとする債務者の財産がなくなってしまった場合等)には、当該残債権は「紙切れ」と化してしまいます。

 このような債権を買い取って、自ら回収することを仕事にしているのがサービサーです。もちろん、サービサーは、金融機関等から「紙切れ」を買うのですから、額面通りの価額ではなく、特別割引価額で仕入れます。例えば、住宅ローンの残債が額面上は1000万円だったとしても、サービサーの仕入額はひょっとすると10〜50万円くらいかも知れません。

 サービサーに債権を売った金融機関等にとっては、不良債権を損金処理することができる税務上の利点があります。他方、サービサーにとっては、債務者から仕入額を超える回収ができれば、利益が出るという仕組みです。

 サービサーが取り扱う不良債権(これを「特定金銭債権」と呼びます。)の中には、住宅ローン債権の他にも、クレジットカード、カードローン、リース契約の債権等、身近な債権が広く含まれています(債権回収業法第2条1項)。誰でもサービサーに関わる可能性があると前記したのは、このような理由です。
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2. サービサー制度について思うこと
 サービサーの収益の仕組みは、超高利回りの(=投資不適格な)ジャンク債への投資にも似ています。そういった意味では、サービサーの業務に対する、規制や監視は妥当なものと言えます。なぜなら、サービサーの業務は、利益を追求すればするほど、法令違反を起こす誘因が強くなるような仕組みになっているからです。

 しかし、サービサーに対する規制や監督の体制をつくった一方で、不良化するような債権を作りだす金融機関等の側は、きちんと責任を取るようになったのでしょうか?素人目にも信用力のない人が簡単に大金を借りてしまったり、ろくな本人確認もなしにクレジットカードが作れてしまったりと、金融機関等の無責任ぶりはむしろ悪化したようにすら見えます。

ゴミ処理場を監督するのはもちろん大事でしょうが、それよりもゴミを出さない社会を作ることが理想でしょう?
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posted by 司法書士 前田 at 09:28| Comment(0) | 金銭トラブル

2016年04月12日

ショートステムで行こう!

 競技をやらない私にとって流行はあまり関係ないはずなのですが、ショートステムのマウンテンバイクばかりが目に付くようになってくると、さすがに試したくなってくるのです・・。
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(2年前は130mmのステムを使っていました。ステムの長さを変えると、乗り方も変わる。)


1. ステム交換
(1)規格に注意
 今回、ステムを90mmから45mmへと短くします。使用するのは、ヤフオクで手に入れたいかにも軽そうな格安ステムです。
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(半分の長さに。しかも肉抜きしてあって、軽そう。)

 当たり前のことですが、交換に適したステムを選ぶ際には、ステアリングコラム径とハンドルクランプ径を間違ってはいけません。今回は、コラム径28.6mm、クランプ径31.8mmのものを購入しました。

 もう一つ忘れがちなことですが、ステムの高さにも若干気をつける必要があります。ステムの高さは、大抵スペーサーを組み合わせて調整できるものです。しかし、手許に適当な厚みのスペーサーがなかったりすることはよくあることです。このような場合に備えて、高さを無段階で調整できるスペーサーを一つ持っておくと便利です。
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(アジャスタブル・スペーサー。重量さえ気にしなければ、とても便利なパーツ。)

(2)締め付けトルク管理のヒント
 ステム周りのボルトの締め付けトルクには、気をつける必要があります。硬いステンレスのボルトを、柔らかいアルミ合金のステム本体に対して、力いっぱい締め込んでしまえば、すぐにネジ山が壊れてしまいます。逆に締め込みが緩すぎても、走行中に危険な目に合ってしまうでしょう。

 ハンドルクランプのボルトの締め付けトルクは6〜7Nm(ニュートンメーター)、コラムクランプのそれは7〜8Nmくらいと指定されていることが多いようです。本来であれば、トルクレンチを使うべき場面でしょう。

 しかし、私は面倒くさがりなので、あまりトルクレンチは使いません。その代り、デリケートなボルトを締めつけるときは、柄の短い工具を使うことにしています。安物の工具を使うのには一応意味があるのです。
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(柄の短い工具であれば、トルクをかけすぎることもない。)
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(対角線に少しずつ均等に締め込んでいく。これ基本。)
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(アンカーボルトでヘッドベアリングのアタリを最適化。シールドベアリングでも基本は一緒。)

 ステム周りのボルトは、一旦は各部が動く程度に軽く締めておいて、アンカーボルトの調整、ハンドルやブレーキレバーの角度を微調整した後に本締めします。ボルトに塗布するのであれば、グリスよりもネジ止め剤の方が適します。
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(自転車には中強度のネジ止め剤を使う。この量あれば、一生使えるかも。)


2.試走
 ステムを交換した後に、散り際の桜を見物に行くことも兼ねて、いつものトレーニングコースである表六甲線を登って下ってきました。
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(桜も今年はこれで見納め。)

 さすがに登っている時は、やけにハンドルバーが身体に近く感じて、ちょっと不自然にも思えました。逆に、下り坂では、たった45mmの差なのに随分とお尻が動かしやすくなったと感じました。当たり前と言えば、当たり前ですが。

 これでフロント部が軽快になって、公園なんかで練習するのも楽しくなりそうです。
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(ショートステム、ワイドハンドルバー、フルリジッド、ワンバイエイト、フラぺ・・、男らしい。)
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posted by 司法書士 前田 at 17:56| Comment(0) | 自転車

2016年04月11日

認可地縁団体の不動産所有について

 法人ではないけれども、法人と同等の組織や資産等を持った団体というものが存在します。これらの団体は「権利能力なき社団」と呼ばれて、法人とは区別されています。

 今回は、権利能力なき社団の一つとされてきた地縁団体について、これを法人化するための手段のひとつである「認可地縁団体」の制度と、認可地縁団体に認められた不動産登記の特例について整理してみましょう。

 このようなテーマは、一般にあまり馴染みがないかも知れませんが、実は、意外にも、多くの人にとって身近な問題に関係しているのです。



1. 設例(以下、「本例」といいます。)
 かつて「甲村」と呼ばれた地区では、代々、周辺の山林(以下、「甲土地」といいます。)を入会地として、甲村の住民が自由に山菜や薪を採ったり、村の行事を行ったりするために利用してきました。住民は、交代で甲土地の管理をし、その管理費用を分担してきました。
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 甲村は、明治時代に近隣の村とともに乙町に合併されました。その後、乙町も丙市に合併され、現在では住居表示に「甲村」という名前すら残っていません。しかし、かつて甲村だった地域に居住する住民たちは、今でも「甲村自治会」の名のもとに、甲土地の利用と管理を続けています。甲村自治会は、任意加入の団体ですが、この地域に居住する住民の過半数は甲村自治会に加入しています。

 最近になって、丙市は、市民の利便向上のため、甲土地を横切って市道を建設する計画を立てました。計画実現のためには、甲土地の所有者から土地の一部を買収する必要があります。

 ところが、丙市が、甲土地の登記記録を閲覧してみると、明治中期、甲村住民ABCの共有とする所有権の保存登記が行われたのを最後に、登記記録の異動がありませんでした。

 さらに、丙市がABCについて調査してみると、ABCとも既に亡くなってから60〜80年経過しており、Aについては、数次に相続が生じた結果、現時点で戸籍上生存している相続人が50名いることが判明しました。BとCについても、同じように、それぞれ30名、40名の相続人が生じていることが判明しました。



2. 「権利能力なき社団」と法人について
(1)なぜ個人名義で登記する必要があったのか?
 かつて、自治会や町内会等の「地縁団体」を法人化することは容易ではありませんでした。従って、不動産を地縁団体の名義で登記することも出来ませんでした。そこで、実質的には団体として不動産を所有しているような場合でも、便宜的に団体代表者の単独名義で登記したり、団体構成員の共有名義で登記したりするという方法が用いられていました。

 本例の甲土地についても同様の理由で、実質的には甲村自治会が団体として所有する財産でありながらも、不動産登記記録上は甲村住民3名の個人名義で登記されたのだと考えられます。


(2)法人とは
 法は、権利能力の主体として、「人=自然人」(民法第2章)とは別に、「法人」を規定しています(民法第3章)。自然人は、出生とともに、特に何らの行為を要することなく権利能力を獲得します。これに対して、法人は、法律の規定によらなければ成立しないし、その権利能力も定款・規約等所定の目的の範囲に制限されています(民法第33条、34条)。

 このように、法律が法人の成立やその権利能力の範囲を限定している理由は、取引の安全を図るためです。すなわち、法人は登記制度等によってその基本事項が公示されているため、取引の相手方は、誰に対して法律行為を行うべきか、誰に対してどのような範囲において責任を問うことが出来るのかを、予め知ることが出来るのです。


(3)「権利能力なき社団」の権利能力?
 地縁団体は、法律の規定によらなければ法人となることは出来ません。法人でなければ、権利能力の主体となることは出来ないのですから、地縁団体に不動産の所有権が帰属するということもあり得ないのが法律上の建前です。

 しかし、団体の中にも、法人と同等の恒常的組織を備え、運営や財産管理について内部規律の確立されたものが存在します。このような団体には、権利能力を否定するよりも、むしろ権利能力を認める方が、取引の実情に即していると言える場面は、社会に数多く存在します。そこで、判例は、このような法人並みの組織を持った団体を「権利能力なき社団」という概念で区別して、法人に近い権利能力の行使を認めるような解釈をするようになりました(最判昭和39年10月15日)。また、権利能力なき社団でも、訴訟の当事者となることが出来ることは、法律上も明らかにされています(民事訴訟法第29条)。

 したがって、地縁団体も、法人並みの組織を備えていれば、権利能力なき社団ということになります。判例上「権利能力なき社団」であるか否かが問題となった団体としては、この他にも、預託金制ゴルフクラブ、法人設立手続き途上の社団等があります。


(4)権利能力なき社団の限界
 判例が、権利能力なき社団に対して、実質的に法人同様の権利能力を認める解釈をしたといっても、両者が全く同じ権利能力を行使できるわけではありません。法人化されていない以上、権利能力なき社団に対して、権利能力を正面から認めることが出来ないという限界があるのです。

 この限界として最も問題とされることが多いのは、権利能力なき社団に不動産登記の名義人となることが認められないという制限です。



3. 認可地縁団体について
(1)地縁団体とは
 地縁団体とは、「市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」(地方自治法第260条の2第1項)のことです。地縁団体の身近な例は、町内会や自治会です。
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(2)認可地縁団体とは(要件)
 平成3年地方自治法の改正により、団体名義で不動産を保有することを目的として、一定の要件を満たした地縁団体に対して、市町村長の認可のもと法人格が与えられるという制度が創設されました(地方自治法第260条の2)。この制度によって法人化した地縁団体のことを「認可地縁団体」と呼びます。認可地縁団体は、認可(による告示)によって成立する団体であって、別途法人登記をする必要はありません

 認可を受けるためには、以下の要件が必要となります(地方自治法第260条の2第2項)。

 ア.区域住民のための活動の実態(公益性)
 イ.地縁を画する区域の明確性(区域明確性)
 ウ.当該団体への区域住民の参加可能性及び参加実態(住民参加性)

 この制度が想定しているのは、例えば、一定区域内の住民の相互連絡や互助活動等を現に行っている町内会が、集会所として用いている土地建物を団体名義で登記する必要があるような場合です。

 これに対して、上記要件や不動産保有という目的を欠いているような場合、また、そもそも地縁団体とはいえない場合には、本制度による認可を受けることは出来ません。よって、マンションの自治会、地域スポーツクラブ、学校の同窓会等は、認可地縁団体となることは出来ません。


(3)法人化選択肢の追加
 平成18年の法人制度改革により、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」等、法人に関する基本法規が制定され(平成20年施行)ました。この改革の目的は、法律規定に従った手続きを履践すれば、監督官庁の許認可なしに、誰でも簡単に法人を設立することが出来る(このことを、「準則主義」といいます。)ようすることでした。これに伴い、従来、法人一般について許認可主義を規定していた民法第3章の諸規定は、大幅に改正・削除されました。したがって、現在では、マンションの自治会であろうと、アニメ同好会であろうと、簡単に法人化することが出来ます。

 地縁団体についても、法人化するためには、市町村長の認可を受ける方法(地方自治法第260条の2)に加えて、一般社団法人等を設立するという選択肢が出来たわけです。いずれの方法をとっても、法人化すれば、地縁団体名義で不動産を登記することが出来ます。では、法人化を検討している地縁団体は、どちらの方法を選択すべきでしょうか?

 設立手続きの容易さや運営の自由度という点を見れば、地縁団体を一般社団法人として設立する方法が優れているでしょう。上記3(2)のとおり、認可による地縁団体の法人化のためには、ハードルは相当高いと言えます。また、認可後に規約変更等の必要が生じた場合にも、当該変更に関して市町村長の認可を取らなければいけません。

 しかし、ハードルが高いことと引き換えに、認可により地縁団体を法人化することには、以下のような特典が用意されています。

 (あ)税制上の優遇
 (い)不動産登記の特例利用

 上記(あ)税制上の優遇について、例えば法人税に関して認可地縁団体は公益法人とみなされ、収益事業からの所得のみが課税対象とされます。その他にも、不動産譲渡所得税についても優遇措置が定められています。

 上記(い)の不動産登記の特例については、下記4で説明します。



4. 認可地縁団体にかかる不動産登記の特例について
(1)不動産登記法の原則
 不動産登記法第60条は、不動産の権利に関する登記申請についての「共同申請の原則」を明らかにしています。すなわち、不動産の権利設定・変動を登記する際には、「登記権利者」と「登記義務者」とが共同して申請しなければなりません。

 ここで言う「登記権利者」及び「登記義務者」というのは、一般に、法律行為の両当事者(例えば、「売主」及び「買主」)に一致することが多いのですが、必ずしもそうとは限りません。ここでは、多くの法律行為が両当事者を想定しているのに応じて、登記申請する際にも、原則として、両当事者が共同で行わなければならないという程度に理解しておけば十分です。(「登記権利者」及び「登記義務者」は不動産登記法上の独特な概念ですので、本稿では説明を省略します。)

 また、建物が建築されたり、埋め立てによって土地が創設されたりした場合に、最初に行うべき所有権を公示するための「所有権保存」登記については、両当事者と言えるものがないので、権利者が単独で申請することが出来ます。ただし、ここで申請人になることが出来るのは、表題部に所有者として表示された者やその相続人等に制限されています(不動産登記法第74条第1項)。


(2)特例創設の背景
 平成3年の地方自治法改正により認可地縁団体という法人設立制度が創設され、認可地縁団体名義による不動産登記が可能となりました。当時、権利能力なき社団の代表者や構成員名義でしか登記することが出来なかったために、不動産にかんする権利の公示や管理・処分について生じていた問題は、この改正によって解決するものと期待されました。ところが、現実には、問題はそう簡単に解決しませんでした。何故でしょうか?

 認可地縁団体による不動産登記が可能となったといっても、登記申請のためには、上記4(1)のとおり、当事者(登記義務者、登記権利者)が共同申請するか、単独申請の場合でもその申請人資格に制限があります。地縁団体の保有する不動産は、代表者名義で登記されたり、団体構成員の共有名義で登記されたりしているのが普通です。よって、地縁団体が地町村長の認可後に、不動産を団体名義で登記するためには、登記記録上名義人として記載されている者を登記申請に関与させる必要があります。

 本例の甲土地について言えば、登記記録に、地縁団体構成員たるABCの名義で所有権の登記がなされているのですから、ABCから認可地縁団体に対して、「〇年〇月〇日委任の終了」を原因とする所有権移転登記を行わなければなりません。所有権移転登記を行う際には、登記名義人であるABCと認可地縁団体とが共同で申請行為を行う必要があります。

 ここで、「〇年〇月〇日委任の終了」を原因として所有権移転登記するという意味は、次のようなことです。

 地縁団体が権利能力なき社団である限り、当該団体名義では不動産登記することはできないのですから、構成員の誰か(代表者又は複数の構成員)に便宜的にでも登記名義人になってもらわなければなりません。不動産の登記名義人としてABCが記録されているということは、地縁団体(の構成員全員)がABCに対し、登記名義人になってもらうという事務を委任していたということを意味します。そして、当該団体が認可地縁団体として不動産登記の名義人となることが出来るようになったと同時に、この委任関係は終了し、当該不動産の所有権が、ABCから認可地縁団体に対して移転したと考えられるのです。

 したがって、ABCと認可地縁団体とが共同して所有権移転登記を申請すれば真の登記名義人を公示するという目的は達成されるはずです。

 しかし、ABCがすでに死亡しており、相続が発生していたとしたらどうでしょうか?この場合には、相続人全員の協力を得て、ABCから認可地縁団体に対して所有権移転登記を申請することになるでしょう。(この所有権移転登記の前提として、ABCからその相続人への相続を原因とした所有権移転登記が必要かという問題が生じますが、本稿では説明を省略します。)

 実は、ABCの相続人を関与させなければならないということが、認可地縁団体の不動産登記にとって、実務上一番の障害であることが明らかとなったのです。

 通常であれば、人が死亡すれば、その人について相続が開始します。このとき、不動産が遺産である場合には、相続を原因として、被相続人から相続人への不動産の権利移転が生じます。この手続きを主導するのは相続人であるのが普通でしょう。

 これに対して、地縁団体の管理する不動産については、相続のような権利承継手続き及びそれに伴う登記申請が行われることは稀です。これは、当該不動産が、実質的には、地縁団体の所有物であって、登記名義人個人の遺産ではないからです。また、地縁団体の管理する不動産については、構成員の日々の利用に支障とならない限り、登記名義については誰も関心を払わないものだからです。

 しかし、そのようにして登記記録が放置されたまま100余年も経過すると、相続人の数は相当の規模に達します。こうなれば、登記申請という手続行為にすら、多数の相続人の一致した協力を得るのは至難の業です。相続人の協力を得られないなかで、現にある権利関係と登記記録とを一致させるための手続きを行おうとすれば、裁判等を利用するなど、相当の費用と時間を覚悟しなければなりません。

 また、相続人が多数になると、相続人の中に所在不明者が出てくるのが普通です。所有権登記手続きに、所在不明者を関与させることは容易なことではありません。


(3)特例の内容
 認可地縁団体の所有する不動産についての登記手続きの困難を解決するために、地方自治法の改正(平成27年施行)が行われ、下記の要件を全て満たした認可地縁団体に対して市町村長が証明書を発行することにより、単独で登記申請することを可能にする特例が新設されました(地方自治法第260条の38)。

 @不動産を所有していること。
 A不動産を10年以上所有の意思をもって平穏かつ公然と占有していること。
 B不動産の表題部所有者又は所有権の登記名義人の全てが認可地縁団体の構成員又はかつて認可地縁団体の構成員であった者であること。
 C不動産の登記関係者(表題部所有者、所有権登記名義人、これらの相続人)の全部又は一部の所在が知れないこと。

 上記要件のそれぞれについての説明は省略します。ただし、上記Cの所在不明者については、たとえ一部の者でも所在不明であればこの要件に該当することになります。

 本特例の適用を受けようとする認可地縁団体は、市町村長に対して、認可地縁団体が不動産権利登記することについて異議者を募る旨の公告を申請します。

 公告申請を受理した市町村長は、上記@〜Cの要件充足を書類上審査した後に、3カ月以上の期間を定めて公告を行います。この期間内に、異議を申し立てるものが出なかった場合には、市町村長は、認可地縁団体に対して、「公告をしたこと及び登記関係者が公告の期間内に異議を述べなかったことを証する情報」(以下、「証する情報」と言います。)を交付します。

 認可地縁団体は、証する情報を添付することによって、単独で、団体名義への所有権保存登記や所有権移転登記を申請することができるようになるのです(地方自治法第260条の39)。

 要するに、本特例は、不動産登記名義人の相続人が所在不明になるという実務上高い頻度で発生する問題に対して、登記手続きの例外を認めたのです。本来であれば、所在不明者について不在者財産管理(民法第1篇第2章第4節)等の手続きを経なければならないところ、それを省略してしまうのです。



5. 残された問題
(1)認可地縁団体の不動産登記について
 認可地縁団体という法人制度と、認可地縁団体にかかる不動産登記の特例の創設によって、認可地縁団体の所有する不動産についての問題は、解決に向け大きく前進したということが出来ます。

 確かに、登記名義人の相続人が多数になってしまった場合、不動産の権利登記手続きの障害となるのは、相続人の所在不明の問題だけではありません。例えば、相続人の意思能力の欠缺、相続人の不存在等も、高い頻度で遭遇する問題です。

 相続人に意思能力が欠缺している場合には、本来ならば、後見制度(民法第4編第5章)等によって欠けた意思能力を補完するべきでしょう。また、相続人がいない場合には、本来であれば、相続財産管理(民法第5編第6章)を経て権利の帰属を確定させるべきでしょう。

 しかし、本特例は、相続人の一部でも所在不明になれば、適用の対象となるのですから、他の理由(意思能力欠缺など)で相続人が登記手続きに関与できない事情が重なった場合であっても、利用できることになります。本特例による不動産登記を検討している認可地縁団体は、皮肉にも、対象不動産の登記関係者(=登記名義人の相続人)が所在不明になっていることを祈りさえするかも知れません。


(2)地縁団体とは認められない団体
 もともとは地縁団体であったものが、時代とともに地縁団体でなくなることがあります。このような団体は、もちろん、認可地縁団体となることは出来ません。よって、不動産登記の特例を利用することも出来ません。

 たとえば、かつては村の住民全員が祖先を祀るために墓地会を形成して、墓地及びその施設を管理し、祭事を取り仕切ってきたというような状況があったとします。時代が流れ、墓地の権利関係が固定化し、墓地会の構成員の多くが村の住民ではなくなってしまいます。そのようになれば、当該墓地会は、地縁団体ではありません。

 しかし、このようにして地縁団体ではなくなった団体にも、本例と同じような問題は生じるのです。


(3)耕作放棄地、山林、空き家等の問題
 本例に現れた問題点は、二つありました。一つは、地縁団体の法人化という問題です。もう一つの問題は、不動産登記への相続人の関与という問題です。後者は、実は、誰にでも身に覚えのある問題です。

 たとえば、田舎の田畑について相続が生じても、直接そこを耕作する者がいなくなってしまえば、相続等の権利承継手続きが行われないまま、放置されてしまうことがあります。そのまま相続人の数が増えて、事実上、権利関係が宙に浮いてしまうことは珍しいことではありません。山林についても全く同じことが当てはまります。

 また、日本の人口が減少するとともに拡大してきた空き家の問題も、物理的に放置された空き家の利用を議論する前に、利用の前提としての権利承継手続きが未了であることが往々にしてあります。

 不動産について権利承継の手続きが放置されてしまう状況は、規模の違いこそあれ、身近なところでも生じうるのです。
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posted by 司法書士 前田 at 11:57| Comment(0) | 登記業務

2016年04月08日

「身元保証」ビジネスの影 〜公益財団法人日本ライフ協会の事件をとおして〜

 平成28年3月末、民事再生手続き中であった公益財団法人日本ライフ協会は、再生の受け皿として期待をかけていた一般社団法人「えにしの会」が支援を辞退したことから、破産することが確実となりました。

 日本ライフ協会のような「身元保証」ビジネスを行う団体は、高齢化社会の進展とともに、ここ数年で急速に数を増やしました。しかし、これら団体やその活動を統制するための法律や制度は欠如しており、この状況が改善されないままであれば、今後も類似の事件は多数起こることが予想されます。そこで、今回は、本事件について整理し、「身元保証」ビジネスの問題点を考えてみましょう。
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1. 本事件の経緯
 日本ライフ協会は、平成14年に前身となる団体(非法人)から、特定非営利活動(NPO)法人や一般財団法人への数度の組織改編・分化を経て、平成22年に内閣府の公益認定を受け「公益財団法人日本ライフ協会」(以下、「本件協会」といいます。)となりました。

 本件協会は、平成28年1月時点で、全国18カ所の事業所、1以上の傘下法人、従業員125名、会員約2600名という大きな組織になっていました。

 本件協会が、創業間もなく始めた「みまもり家族」事業は、@医療・介護施設等への入院・入所の際の「身元保証」、A日常生活に付随する事務支援、B葬儀・納骨の手配、を内容とする事業です。@〜Bは、従来、支援を必要とする高齢者に近い親族が、なんとなく担ってきた事務や法律行為です。つまり、本件協会は、親族に頼ることのできない事情を抱えた高齢者に対して、@〜Bの役務を有料で提供するという事業を行っていたのです。これらの中心を占めるのは、@「身元保証」事業です。

 本件協会は、大雑把に言えば、会員との間で、一人当たり約150万円の契約金を一括徴収し、そのうち約100万円を入会金・会費等として扱い、残りの約50万円を葬儀費用等のための預託金として扱うという契約をしていました。この内訳を分かり易く言えば、100万円については、収入に当たるので、本件協会が事業のために使っても良いということです。これに対して、50万円については、会員から預かっただけだから、実費を清算したうえで返還すべきであるということです。会費分については、契約時に一括で支払うという方法が主流だったようですが、月会費の形式で支払うという選択肢もあったとされます。

 本件協会は、公益認定申請時には、会員との契約に際しては預託金の保管者として法律専門家を介在させる「三者契約」の方法だけを用いることを事業計画の内容としていました。これは、三者契約の方法であれば、預託金が適正に管理されるから、公益性を担保できるはずだという理由によります。

 しかし、本件協会は、この事業計画に基づいて平成22年に公益認定を受けるや直ぐに、監督官庁である内閣府に無断で、法律専門家の介在なしに、会員と「二者契約」の方法による契約を結ぶようになりました。すなわち、約150万円全額を同協会が受け取れるようにしたということです。

 本件協会は、預託金を従業員給与等の運営費に流用するなど、預託金について分別管理するという仕組みを持ち合わせていなかったようです。また、平成23年4月からは、事実上傘下にあるNPO法人に対し公益認定法違反の事業資金の長期貸付けを行うようにもなりました。後に、本件協会がこのNPO法人から貸付金回収を行う際にも、金融機関に対して、NPO法人のために、本件協会の定期預金を担保として提供するという粉飾まがいの行為を行っていたことも明らかとなりました。

 そのような杜撰な運営をしながらも、本件協会は、全国各地に事業所を新設し、拡大を続けました。

 結局、債務超過に陥った本件協会は、平成28年1月、大阪地方裁判所に対し民事再生手続開始申立てを行いました。この民事再生手続きにおいては、本件協会の経営陣によるまともな財産管理をあてにすることが出来ないため、保全管理人(民事再生法第79条)が選任されました。

 保全管財人は、本件協会の事業を引き継ぐ支援者として同種事業を手掛ける一般社団法人「えにしの会」との間で、3月3日、事業譲渡契約を締結し、一旦は本件協会の事業が継続されることが決まるかに思われました。しかし、この契約からわずか10余日後、えにしの会は、資金調達が困難であることを理由として、保全管理人に対し、この契約を解除する通知を行いました。

 平成28年3月18日、内閣府は、本件協会に対する公益認定を取消しました。

 支援者がいなくなってしまった以上、本件協会には、破産という選択肢しか残されていません。破産となれば、本件協会の行っていた全ての事業は終了し、破産管財人のもと財産の換価と配当手続きが行われ、本件協会は消滅します。

 本件協会の会員のうち三者契約を行った者については、預託金全額の返還を受ける可能性は高いでしょう。しかし、契約の方式に関わらず、全ての会員について、一括で支払った会費については将来分についての全額の返還を受けることは出来ないでしょうし、もちろん「身元保証」等の役務が今後履行されることもありません。

 以上が、現時点(本稿を書いた平成28年4月8日)で、判明している本事件についての経緯です。今後、管財人による調査が行われる過程で、さらにいろいろな事実が明らかになってくるでしょう。

 ところで、監督官庁である内閣府は、本件協会に対し、平成25年5月に立ち入り検査をおこなっていたようです。ということは、内閣府は、比較的早い段階で、本件協会が公益認定に反する行為をしていたことに気づいていたのでしょう。その後も、公益認定等委員会が、本件協会に対して、数回にわたって報告書を徴求したり、指導を行ったりしたようです。
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2. 身元保証ビジネスの問題点
(1)「身元保証」とは
 上記1では、「身元保証」という用語を特に定義もせずに用いています。さて、ここで言う「身元保証」とはどのような行為を指すのでしょうか?

 医療・介護施設に入院・入所する際に、施設側は、契約者である本人に対して、「身元保証人」をつけることを要求します。このような契約又は手続き方法を採る施設は、全体の9割以上にも達すると言われています。

 施設側が「身元保証」によって担保しようとしているのは、(a)緊急時の連絡先、(b)医療行為・介護計画への同意、(c)死亡時の遺体・遺品の引取り、及び(d)費用の精算です。これらの事務等を「身元保証人」に行わせることによって、施設側の負担や責任を軽減しようというわけです。

 通常、施設を利用しようとする本人に、家族・親族等がいれば、「身元保証」を依頼することも出来るでしょう。しかし、家族・親族がいない場合、家族・親族に対して頼みづらい事情があるような場合等、「身元保証人」を探すことは容易ではないことがあります。「身元保証人」を立てることが出来なければ、施設への入院・入所を拒否されることも稀ではありません。
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(2)根拠法律の不在
 上記2(1)のように、「身元保証」の利用が常態化しているにもかかわらず、実は、「身元保証」を規律する法律は存在しません。

 「身元保証人」の責任については、契約書に定めがあったとしても、責任の範囲が必ずしも明確というわけではありません。たとえば、本人又は家族以外の第三者「身元保証人」が医療行為に同意しても、その同意には何の意味もありません。また、「身元保証人」が、本人の費用等債務を支払う義務を必ずしも負っているというわけでもありません(民法第446条等)。
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 他方、「身元保証」を求めることが施設にとって必須であるという「常識」についても疑ってみる必要があります。たとえば、本来、病院や特別養護老人ホーム等は、「身元保証人」がいないという理由で、入院・入所を拒否してはならないのです(医師法19条等)。

 ちなみに、「身元保証ニ関スル法律」という古い法律が存在しますが、これは雇用関係等において慣習化していた過度な身元保証を規制するための法律であって、本稿で問題としているような「身元保証」には適用されません。ただ、このような法律があるということは、日本には古くから、「もしもの時には第三者に責任を取ってもらえばよい」と安易に考える風土があったということを示しています。


(3)監督官庁の不在
 「身元保証」事業自体について、許認可を発したり監督したりする官庁は存在しません。

 「身元保証」事業をおこなう団体の多くは、法人化しています。法人形態は、一般社団・財団法人、特定非営利活動(NPO)法人、公益社団・財団法人等、様々です。もちろん、法人形態によっては、本件協会のように、監督官庁が存在する場合もありますが、その場合でも、監督官庁が「身元保証」事業自体を監督しているわけではないのです。本件協会が、公益認定を取り消されてしまえば、再び何の監督も受けない状態に戻ってしまうだけです。

 したがって、国は、「身元保証」ビジネスの実態については、何も把握していないのです。たまたま本事件の主役が公益財団法人であったため、行政や世間の関心を引くことになっただけです。


(4)預託金の管理について
 本件協会は、会員から徴収した収入(入会金・会費等)と預託金(葬儀等に充てるための費用金)とを分別管理していませんでした。分別管理することは、他人の財産を管理するうえでの基本ですから、これをしていなかったということは言語道断というほかありません。

 しかし、仮に本件協会が預託金を分別管理していたとしても、倒産の際には預託金も含めて、本件協会の一般債権者のための引き当てとなることを避けることが出来ないでしょう。つまり、預託金口座も、差し押さえられたり、破産財団に組み込まれたりするということです。会員が優先的に預託金を返してもらえるわけではないのです。


(5)結び
 「身元保証」ビジネスが野放し状態になっているのが一番の問題であるからと、これを規律する法律を作ったり、特定の官庁の監督下に置いたりすれば良いと考える方もいるかも知れません。しかし、本事件の問題の本質はそこではないと私は考えます。

 そもそも、「身元保証」は必要でしょうか?「身元保証」なんて契約手法は不要かつ有害なだけだと思います。よって、指向すべきは、「身元保証」契約の禁止だと考えます。

 誰でも歳を取り、誰にでも身体や心の自由が利かなくなってしまう可能性があります。このようなときに個人を支援するのは、法制度や社会保障の役割です。ビジネスの出る幕ではないでしょう。
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posted by 司法書士 前田 at 13:33| Comment(0) | 金銭トラブル