2018年06月30日

マキタがキターッ!(サイクロンアタッチメントA-67169)


4年間、2日に1度の頻度で使用してきたマキタのコードレス掃除機CL102D。とても便利なのですが、唯一の不満は、集塵パックの容量が小さすぎてすぐに一杯になってしまう(ゆえに吸引力も弱くなってしまう)こと。
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(現行機 マキタCL102DW)


集塵パック問題で悩んでいた1ヶ月くらい前のある日、近所のホームセンターで、サイクロンアタッチメントを発見。5分迷った末に購入しました。
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(マキタ サイクロンアタッチメントA-67169)




掃除好きな私にとって夢のような日々の始まりです。


本来、このサイクロンアタッチメントは、吸込仕事率15W超のマキタのコードレス掃除機に対応するようです。ウチのCL102Dは、多分、現行機(CL102DW)と同じ吸込仕事率14Wでしょうから、最適な組み合わせではありません。でも、そんな小さなことは気にしません。
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(本体とパイプの間に装着する。)


掃除機本体とパイプの間に差し込むだけの簡単な取り付け方法です。紙パックが不要になるわけではありませんが、紙パックにはほとんどゴミがたまらなくなります。
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(装着後。)


吸い込まれたゴミが集塵カップ内をクルクル回るのは新鮮な体験です。
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(回る、回る!)


ソファーの下が若干掃除しにくくなりました。
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(ちょっと出っ張りが増えて、狭いところは苦手に。)


階段だって軽快です。
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(コードレスならでは。軽快。)


ゴミの量が一目で確認できます。
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(意外にたくさんゴミが溜まる。)


集塵カップだけ簡単に取り外して、ゴミ捨て完了。掃除機内にずっとゴミを溜めっぱなしにしないので、何となく気分が良いのです。
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(集塵カップの取り外しは簡単。)

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(毎回ゴミをリセットして、何かいい気分♪)


おすすめ度: ★★★★★




マキタ(Makita) サイクロンアタッチメント A-67169

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タグ:DIY
posted by 司法書士 前田 at 12:28| Comment(0) | 日記

2018年06月25日

どうなる地籍調査?


地籍調査に関心を持っている人なんてほとんどいないかもしれません。なにせ、国(国土交通省)が、地籍調査の実施主体である市町村の職員向けに啓蒙のパンフレット(「地籍調査はなぜ必要か」http://www.chiseki.go.jp/about/images/naze_A4.pdf )を作ったくらいです。一般の関心の低さは、言うまでもありません。

そこで、今回は、意外に身近で重要な地籍調査の問題について考えてみましょう。
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1 地籍の理想と現実
地籍とは、土地についての所在・地番、地目、境界、面積及び所有者に関する情報を指します(国土調査法第2条第5項)。これは、国民について戸籍(本籍、筆頭、名、出生、婚姻、死亡等の情報)があるのと似ています。

国民にとって戸籍情報がいろいろな恩恵(行政サービスや社会保障の享受等)をもたらすのと同じように、それぞれの土地(「筆」)についてしっかりとした地籍情報があることによって様々な効果が生まれます。次はその主なものです。

ア 境界トラブルの防止
イ 災害復旧の迅速化
ウ 公共事業の効率化
エ 課税の公平

まず、地籍によって土地同士の境界が明確であれば、隣近所で境界をめぐって争うようなことは減少するでしょう。そうやって、紛争の大きな原因が一つ減れば、土地取引が活性化されるという付随的な効果も期待できます。

次に、もし土砂崩れや津波によって原形をとどめないほど地形が変わってしまったとしても、もともとの土地の配列を正確に復元したり、これに基づく防災を意識した区画整理をしたりすることも容易になるでしょう。

また、公共事業のために土地を買収する必要がある場合でも、誰に対してどの範囲で買収・収用するのかが明確になれば、迅速に計画を進めることができるでしょう。

さらに、土地に関する税金(固定資産税、相続税等)の計算も容易になり、公平な課税を実現することができるでしょう。

ところが、現実には、多くの土地で、上記ア〜エの一見当たり前と思われるようなことが困難な状態にあります。これは、大きく分けると、2種類の地籍の問題に起因しています。

その一つは、近年、国会やマスコミ等でも盛んに取り上げられるようになった「所有者不明土地」の問題です。これは、一言で言えば、「土地の所有関係がよく分からない」という問題です。これについて、別稿(『「所有者不明土地問題」を読む』)で紹介していますので、本稿では述べません。

他の一つは、各土地(筆)についての客観的情報(所在・地番、地目、境界、面積)に関する問題です。本稿の地籍調査とは、毎筆の土地について主に客観的情報を収集する活動のことを指します。

不動産の登記所である法務局は、全国の全ての土地について、客観的情報及び権利情報を登記記録データとして管理し、その図面を備えています。ところが、実は、その情報の多くは現状を反映した正確なものではないのです。

土地の境界や面積のような基本情報すらまともに信用できないのだとしたら、上記ア〜エも当たり前とは言えないわけです。



2 地籍調査小史
現代的な意味の地籍情報が国によって管理されるようになったのは、明治政府の「地租改正」(1873)を契機とします。地租改正は、毎筆の土地ごとに面積と収穫力に応じた地価を定め、所有者が金銭により地価に応じた納税義務を負うという制度の創設を意味します。私有地が課税対象となるため、国が課税の基本情報を把握する必要が生じたというわけです。

ところが、この基本情報の収集は、所有者の自己申告に基づいて行われました。検地のような強権的な方法によることができなかったのは、つまるところ当時の国には無理強いするための権力も能力もなかったからです。自己申告というのは、単純化して言えば、農民が田畑を自ら縄や棒を使って測量し、その結果を役所に届け出たということです。収集された情報は、土地台帳やその附属図面としてまとめられました。

調査方法がこれでは、正確な情報にはなり得ないことは明らかですが、ここでの情報が、戦後の移管(税務署から法務局へ)を経て、現在の土地に関する情報の基礎になっていることには注意すべきです。

1951(昭和26)年、「国土の開発及び保全並びにその利用の高度化に資するとともに、あわせて地籍の明確化を図るため、国土の実態を科学的且つ総合的に調査することを目的とする」国土調査法が制定されました(同法第1条)。現在の地籍調査は、同法にもとづいて開始されました。

地籍調査の主眼は、毎筆の境界を確定して、形状・面積を測量することです。具体的な調査手続は、調査対象地域の住民説明会から始まり、所有者立会での境界確認、測量、成果図面の閲覧、訂正申立、登記記録更正、地図の備置という順に進行します。

ちなみに、ここでいう「地図」とは、日常的な意味での地図(案内図、市街地図、道路地図等)ではなくて、地籍調査の成果としての図面(不動産登記法第14条第2項)のことを指します。地球の座標に結びつけられた正確な図面である地図には、復元可能性という特徴があります。

現在まで、全国の調査対象面積(国有林等を除いた国土)の約50%の地籍調査が完了しています。ただし、地域的な進捗はバラバラです。たとえば、沖縄県では地籍調査がほぼ100%完了しているのに対して、京都府では7%しか終わっていないといった状況です。地域的傾向を一般化すれば、都市圏の地籍調査が遅れている(東京21%、神奈川13%、大阪8%)といえます。

調査が終わっていない地域については、明治初期の土地台帳附属図面が、現在でも地籍の重要な証拠の一つ(「地図に準ずる図面」不動産登記法第14条第4項)として通用しています。このような図面は「公図」とも呼ばれますが、呼称から連想されるような正確性はありません。



3 地籍調査の行方?
開始後70年近く経過しても半分しか終わっていない地籍調査が、今後、完遂されることはあるのでしょうか?半分残された調査対象地域は、特に厄介な地域ばかりのように見えます。

地籍調査を進めるうえでの問題は、大きく分けて2種類でしょう。

一つ目は、調査技術、人材、予算といった調査インフラに関するものです。しかし、この問題は、今後、重要ではなくなっていくでしょう。例えば、近年の無人航空機(「ドローン」)を使った測量技術の進歩には目を見張るものがあります。このような技術を用いれば、重い機材を担いで山林や藪中を行軍するというような話も、すぐに遠い過去のものになってしまうかも知れません。人も費用も従来ほど必要ではなくなるでしょう。

もう一つは、所有権に関する問題です。

地籍調査において確認する境界は、公法上の境界である「筆界」と呼ばれるものです。筆界は、分かりやすく言えば、地図や公図に引かれた線に対応する境界のことです。これは、所有権の境界である「所有権界」とは、観念上区別されるものです。両者が一致することも多いでしょうが、必ずしもそうとは言えません。例えば、隣地の所有者同士が合意によって境界を移動したり、土地の一部が時効取得されたりした場合、筆界と所有権界とがずれてしまいます。

地籍調査が純粋に公法上の境界に関わるのならば、国が一方的に筆界を確認しても構わないという結論になるでしょう。ところが、話はそれ程単純ではありません。国も、もともとの筆界を把握していないのです。したがって、毎筆の土地について筆界を確認するためには周囲の土地の所有者からも立会いや同意を取り付ける必要があるのです。これは大変な作業です。まして、調査対象になった土地やその周囲の土地が「所有者不明」になっている場合には、尚更のことです。

結局、このままでは、地籍調査の未来も暗いと言わざるをえません。私個人の勝手な意見でしかありませんが、地籍調査に対する不服申立等の手続保障を用意したうえで、国がある程度一方的に筆界を確定してしまうような制度をつくる必要もあるのでしょう。







posted by 司法書士 前田 at 16:28| Comment(0) | 登記業務

2018年06月20日

清算における会社名義不動産の問題(株式会社編)


「事業を廃止しようと思うが、会社名義の不動産をどうすればよいだろうか?」

このような相談や依頼は、珍しいものではありません。

清算における会社名義不動産の問題は、司法書士の中心的業務である不動産登記分野と会社登記分野とが交錯する興味深いものです。それに、起業に関するよりも、事業の廃止に関する悩みの方が、当事者にとっては切羽詰まっているということも多いのです。
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1 清算とは
(1) 清算の意味
「清算」とは、一般に、権利義務関係を処理することを指します。例えば、お金の貸し借りにおける清算とは、弁済が完了して債権債務の関係が解消することです。

これに近い意味ですが、会社法上の清算とは、解散した会社が「一切」の権利義務関係を処理して残余財産を株主に分配するまでの手続のことを指します。

これは、会社という法主体の性質から当然に導かれることです。

そもそも会社とは、権利義務の集合に対して人格を与えたものであると理解することができます。換言すれば、会社は、特定の事業に関連して生じる(出資、貸し借り、取引等の)権利義務を、その事業を運営している自然人にではなくて、事業自体に帰属させるための法技術だということです。

生命のある自然人が死んでしまえば、その権利義務は、相続法に従って承継されるなり消滅するなりします。これに対して、もともと生命のない会社が事業活動を止めたからといって、その権利義務が、誰かに承継されるとか、消えてなくなってしまうというわけではありません。会社は、清算という過程を経てはじめて消滅することができるのです。


(2) 清算の手続概略
会社の事業を廃止したいというとき、まず、典型的には株主総会により「解散」を決議します(会社法第471条第3号)。解散によって、事業廃止することを手続的に明らかにするのです。

これに続く会社の清算は、利害関係人の権利保護・調整のため、法定の手続に従って行わなければなりません(会社法第2編第9章)。

清算の目的は、権利義務を処理し、残余財産を株主に分配することにあります。残余財産の分配というのも権利義務処理の一部ですが、清算事務の最後に行われるため、便宜上分けて説明されるのが普通です。清算中の会社の行為能力は、この清算の目的範囲に限定されることになります(会社法第476条)。

清算事務は、時間順に、「現務の結了」、「債権取立・債務弁済」、及び「残余財産分配」と進行します(会社法第481条)。これらを主催する「清算人」には、多くの場合、取締役が横滑りして就任します(会社法第478条第1項第1号)。

清算事務のうち、現務の結了と債権の取立てというのは、文字通りの意味です。

次に、債務を弁済するためには、弁済に先立って、債権申出のための官報公告及び知れたる債権者に対する個別の催告をしなければなりません(会社法第499条第1項)。これには、早い者勝ちを防ぐことにより債権者間の平等を図るという意味に加えて、一定期間(2カ月以上)内に申出をしなかった債権者を清算から除斥することにより迅速・一律の処理を可能にするという意味があります(会社法第503条)。

最後に、債権者への弁済後に残った財産は、株主に対し、持株数に按分して分配されます(会社法第504条)。全ての残余財産の分配が終われば、清算事務が終了します。その後、清算人は、遅滞なく決算報告を作成し、株主総会の承認を受けなければなりません(会社法第507条)。

会社登記のうえでは、以上の一連の手続について、順に、解散、清算人就任及び清算結了という原因に応じた登記を行います。最後の清算結了登記を行うことによって、登記簿上も会社が消滅したことが公示されるのです。

ただし、会社の消滅(=法人格の消滅)という実体法的な効果は清算事務の終了によって生じるのであって、清算結了の登記は単なる報告的な意味しかないということには注意すべきでしょう。このことは、具体的には、清算結了登記を行った後に見つかった残余財産の処分に関わる問題です(後記3(1))。

会計処理のうえでは、解散から清算結了までの間に、解散時点及び清算結了時点(その間に事業年度をまたぐ場合にはその時点)を基準とした決算を行わなくてはなりません。正常に清算事務が終了すれば、清算結了時の決算は、債権、債務及び残余財産が一切ないという内容のものになるはずです。

清算事務が正常な過程を辿らない場合(特別清算及び破産)について、本稿では省略します。



2 会社名義の不動産の処理方法
(1) 換価する方法
事業を廃止するに際して会社名義不動産をどのように処理するかという問題は、上記の清算手続の過程に組み込まれています。

一つの方法は、当該不動産を換価して債権者への弁済に充て、残金を株主へ分配することです。これが、原則的な処理でしょう。

換価のための売却は、清算中だからと言って、通常の売却と特に異なるところはありません。


(2) 関係者に帰属させる方法
株式会社制度は、所有と経営の分離を理論上の柱として成立しています。ところが、日本では、会社、経営者及び株主が三位一体であることがむしろ常態です。このような場合、不動産が会社名義になっているからと言って、それが本当に会社のものであるのか一見しただけでは分かりません。つまり、会社財産と関係者財産との境が曖昧だということです。

例えば、事業と何の関係もない経営者(又はその親族)の自宅不動産が、名目上だけ会社名義になっていたりすることもよくあります。

したがって、事業を廃止したからといって、会社関係者にとって当該不動産が不要になるとは必ずしもいえないわけです。その場合、当該不動産を関係者に帰属させる方法を検討する必要があります。

その方法としては、錯誤(真正なる名義回復)、代物弁済、売買、残余財産分配等の所有権移転原因が考えられます。ただし、これら方法の選択のためには個別事案ごとの具体的な検討が必要であるため、本稿で一般論を述べることは控えたいと思います。



3 注意事項
(1) 清算結了登記後の残余財産発見について
上記では、清算事務の過程における会社名義不動産の処理について考えました。普通、清算を開始する時点で、不動産の存在は知れています。

ところが、清算結了登記が行われてから何年も経過した後に、残余財産が見つかるという事態は、実務上も頻繁に発生します。「見つかる」というより、「ことの重大性に気づく」と表現するほうが的確な場合が多いでしょう。ここで問題となる残余財産は、不動産です。他の財産(会社名義の銀行預金等)が問題となることは、まずありません。

しかし、このような事態に対する対処も、上で述べたことと異なるものではありません。というのも、たとえ会社登記簿上は消滅した外観があるとしても、残余財産がある限り会社は消滅しないからです。つまり、残余財産がある限り、会社は清算の途中なのです。

よって、見つかった残余財産については、清算事務の一環として原則どおり処理すればよいということになります。ただし、誤って行われた会社の清算結了登記については、これを一旦抹消し、清算人の権限を登記記録上も明らかにしておかなければなりません。


(2) 株式会社以外の法人について
本稿で述べたことは、株式会社以外の法人形態についても概ね当てはまります。ただし、当該法人の責任範囲(有限/無限)や性質(公益性/営利性)等の違いに注意を払う必要があります。


(3) 税務や不正について
不動産の移転という行為は、税務当局にとってまたとない課税機会です。したがって、処分方法の選択には、税務上の考慮が不可欠です。ただし、税逃れのために不適切な処分方法を選択するということは言語道断です。

また、事業廃止に伴う会社名義不動産の移転という場面は、ともすれば計画倒産の準備行為と紙一重であることもあります。

要するに、ここには落とし穴が沢山あるということです。したがって、この問題は、法定された清算手続に則って適正に処理することが重要だといえるのです。






posted by 司法書士 前田 at 15:50| Comment(0) | 企業法務

2018年06月13日

不動産の価額について



モノ(財貨)及びサービス(役務)の価額は需給関係によって定まるというのが、経済の常識です。このことは、不動産にも当てはまります。

しかし、土地の価額について「一物五価(いちぶつごか)」という言葉があるように、不動産には複数の価額概念が存在し、紛らわしいことこの上ありません。そこで、今回は、それぞれの価額概念についてその意味や用途等を整理してみましょう。
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1 土地の価額
(1) 成約価額等
「成約価額」とは、実際に土地が売買された「代金額」のことです。「実勢価額」と呼ばれることもあります。これは、取引成否やその代金の決済に関係するほか、将来、取得した土地を更に売却する際の不動産譲渡所得(さらに納税額)を算出するための基準ともなります。

「時価」も、成約価額に近い概念です。ただし、成約価額が取引成約まで分からないのに対して、時価は、周辺の成約実績等から「相場」を形成するものという意味で用いられることが多いでしょう。もっとも、土地がすべて特定物(個性に着目して取引されるもの)であるため、その時価は、種類物(種類・数量に着目して取引されるもの)のように容易には把握できません。

時価や相場は、これから不動産取引に参加しようとする人たちが心得ておくべき価額とも言えるでしょう。


(2) 公示地価
「公示地価」とは、「一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もつて適正な地価の形成に寄与することを目的と」して国土交通省が毎年(3月末)公表している「正常な価格」のことです(地価公示法第1条)。

つまり、公示地価は、「標準地」の適正な1u単価を示したものということです(下記3「国土交通省土地情報システム」サイト参照)。標準地は、都市計画地域を中心として全国に26,000ヶ所設定されています。

例えば、毎年恒例のように報道される東京都中央区銀座「山野楽器本店」前の土地の公示地価は、2018年も5550万円/uで全国1位でした。

公示地価の目的は、まず、民間取引の代金額の指標を国民に分かりやすく提供することです。これには、仲介業者とそれ以外の国民との間にある情報格差を埋めるという意味があります(下記3)。

また、公示地価は、私有地を公共事業等のために買収・収用するための補償額の指標となります。これは、私人の財産権を保護するという趣旨です(憲法第29条第3項)。


(3) 基準地価
「基準地価」は、根拠法が国土利用計画法であること及び調査主体が都道府県であることを除けば、「公示地価」と趣旨及び用途を同じくする価額概念です。毎年(9月)調査地点の1u単価が公表されます(下記3「国土交通省土地情報システム」サイト参照)。調査地点は、宅地を中心として全国に21,644ヶ所(平成29年度)設定されています。


(4) 路線価、評価倍率
「路線価」には、国税庁が相続税及び贈与税の課税標準の算定基準とするため毎年(7月)発表する「相続税路線価」と、市町村が固定資産税評価額(下記(5))の算定基準とするため毎年(4月。ただし、評価替えは原則3年毎)発表する「固定資産税路線価」とがあります。どちらの路線価も、市街地道路に面した土地の価額を1u単価で表したものです。

しかし、単に路線価と言えば、これらのうち相続税路線価のことを指すのが一般です。これに対して、固定資産税路線価は、行政手続きの公平を担保するために公表される(地方税法第410条第2項)のであって、市民が自ら税額(固定資産税)を計算するためにこれを用いることはありません。

そこで、以下、相続税路線価についてのみ述べます。

相続税及び贈与税の課税標準は、対象土地の地積と路線価を乗じ、これに土地の状況(接道、形状等)に応じた補正を加えるという方法で算定します。路線価は、公示地価の8割程度に設定されることが多いようです。

路線価は市街地を中心にして定められているため、路線価のない地域も存在します。このような地域にある土地について相続税等の課税標準を求めるためには、「評価倍率」を固定資産税の評価額(下記(5))に乗ずる方法を用います。ここで用いられる評価倍率表は、路線価図とともに国税庁のホームページでも公開されています(下記3)。


(5) 固定資産税評価額
「固定資産税評価額」は、市町村が固定資産税算定の課税標準とする価額です。固定資産税の他に、都市計画税、不動産取得税及び登録免許税の課税標準としても利用されます。固定資産税評価額は、公示地価にもとづいて算定された土地価額の7割程度に設定されることが多いようです。



2 建物の価額:土地との対比
建物は、人によって生成され、やがて滅失するものであるという性質があります。このことから、価額概念においても土地との差異を生じます。

建物についても、成約価額、実勢価額、代金額、時価、相場、及び固定資産税評価額という価額概念は、土地の場合と同じ意味で用いられます。他方、公示地価、基準地価及び路線価に相当するような基準はありません。

また、建物の固定資産税評価額は、土地のそれよりも税務上の用途が広く、固定資産税、都市計画税、不動産取得税及び登録免許税の課税標準であることはもちろん、相続税及び贈与税の課税標準としても用いられます。

建物が生成する性質をもつことから、新築建物の場合など、固定資産税評価額が未だつけられていないこともあります。この場合、不動産取得税の課税標準を算定するためには、総務大臣の定める「固定資産評価基準」に従って当該建物を評価する必要があります。これは、建物の構造や床面積等をもとに再建築費用を算定し、経年減価補正(減価償却と同様の処理)を行うという評価方法です。実際の建築費用とは関係ありません。また、これと似ていますが、登録免許税の課税標準を算定するためには、管轄法務局の公表する「新築建物等課税標準価格認定基準表」による簡易な評価方法が用いられます。

さらに、建物が滅失するという性質を持つため、建物の会計処理においては「減価償却」が行われる点も特徴的です。このことは、事業者の貸借対照表上の資産評価に関わるほか、建物の不動産譲渡所得の計算にも関係します。



3 不動産取引情報の格差
価額に限った話ではありませんが、昔から不動産取引の場では、仲介業者というプロと、取引当事者である素人との間に、前者に圧倒的有利な情報格差が存在してきました。すなわち、相場をはじめ、取引当事者が判断の指標とすべき重要な情報は、仲介業者側に偏在してきたということです。

今日でも、取引当事者の無知につけ込んで、不適切な取引を仕掛けるような仲介業者は珍しくありません。

平成2年、不動産取引情報を共有化するために、「レインズ Real Estate Information Network System」という情報交換制度が導入されました。仲介業者は、専任媒介以上の契約を締結した不動産(つまり、ほとんどの取引)の売却情報を、レインズに登録しなければならなくなりました(宅地建物取引第34条の2第5項)。

レインズは、売主と買主とを引き合わせるのが本来の目的ですが、登録された成約情報を手がかりとして相場を探るような目的でも利用されています。ただ、レインズを閲覧できるのは仲介業者だけであるため、情報の共有化と言っても、プロと素人との情報格差を埋めるものではありません。

ところが、最近、インターネットの成熟により、この状況に改善の兆しが見られるようになりました。既にネット上にはレインズに劣らない不動産情報を網羅した民間サイトも登場しています。レインズの一般公開という話すら現実味を帯びてきたように思われます。その気になれば、素人も自ら情報収集できる環境が整いつつあるというわけです。


参考として、本稿内容に関連したサイトを挙げておきます。

国土交通省土地情報システム: http://www.land.mlit.go.jp/webland/
路線価・評価倍率表: http://www.rosenka.nta.go.jp/
マンションレビュー: https://www.mansion-review.jp/
おうちデータベース(関東4県マンションのみ): https://realestate.yahoo.co.jp/direct/building



posted by 司法書士 前田 at 22:34| Comment(0) | 登記業務

2018年06月10日

折り畳み自転車(Tern Link Uno) のヒンジの不具合(前編)

5年愛用しているターン社製の「リンク・ウノ(2012年製)」は、折り畳み自転車としてはとてもよくできた自転車だと思っていました。
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(ウノ。)

ところが、ある日、歩道の段差を乗り越えようとハンドルに力をかけた途端、ハンドルポストのヒンジ(蝶番)が開いてしまい(つまり、ハンドルポストが真っ二つに折れ)、あわや転倒するかという事態になりました。どうも、ヒンジのロックが機能していないようでした。とりあえず、応急処置でその場をしのぎましたが・・。
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(ハンドルポストのヒンジ部をいろいろグルグル巻きにしてある。)

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(実は、針金と結束バンド。)

それから1年半、ウノは応急処置のままの状態で使われてきました。

そこで、本日、重い腰を上げて、ヒンジの不具合の原因を探って(可能なら修理して)みようと思い立ちました。

まず、応急処置の針金と結束バンドを外して、ロックを観察すると、バネで下がった上爪(正式には「セーフティーロックピン」というそうです。)が、自転車本体側の下爪に引っかかるような仕組みになっています。
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(○印のところに、上爪と下爪。)

ところが、明らかに上爪の長さが数mm足りません。つまり、ヒンジを閉じた状態で、上爪と下爪が引っかかるどころか、2mmものギャップが開いているのです。
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(ヒンジを閉じた状態。上爪と下爪の間にあるはずのないギャップが!)

フレーム中央のヒンジも同じ構造で、同じ部品を使っています。こちらは問題ありません。
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(フレームのヒンジも同じ構造。)

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(フレームヒンジのロックはきちんと機能しています。)

パンドルポストのロックを分解してみましたが、上爪の長さは調整できないことが分かります。ちなみに、ウノには、ヒンジの硬さを調整するネジはありますが、これは、ロックの爪の長さとは何の関係もありません。
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(ロックのレバーは、上爪に固定されています。)

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(上爪の長さを調整できるかと期待しましたが、ダメでした。)

上爪が折れたり、削れて短くなったような形跡はありません。ということは、これは、製品自体の不良であるということです。これまで、怪我をせずに無事に使用できていたのは、幸運のなせる業です。
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(結局、上爪の長さを長くすることはできません。)

5年使用してきて、今更、メーカーにクレームをつけようとは考えていません。ウノを気に入ってもいます。ただ、ターン社の自転車は皆同じヒンジの構造をしているので、同社の折り畳み自転車を使用している人は一度確認してみることをお勧めします。

専用部品ばかりを使った折り畳み自転車の場合、小部品のみを注文することができないようになっている(ハンドルポスト全体の交換が必要になるかも)ことが多いものです。ある程度規格が一定している普通の自転車と比較して、とても不便です。
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(爪1個のために、ハンドルポストAssy 16,000円也。・・ありえへん。)

というわけで、また結束バンドで固定することにしました。つまり、応急処置が永久処置になったという訳です。当面折りたたんで使用することは無いので、これで良しとしましょう。
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(また結束バンドに頼るはめに。)

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(原因解明できて、めでたし、めでたし・・?)



・・・と、ブログを書き終えようとしていたところで、もしやと思って、ターンの折り畳み自転車のヒンジ部のことについてネット検索しているうち、ターンの上爪(=セーフティーロックピン)には、2種類の長さの異なるものがあるらしいということが分かりました。このうち、長いものがハンドルポストヒンジ用で、短いものがフレームヒンジ用だとのことです。ということは、私のウノのハンドルポストヒンジには、誤ってフレームヒンジ用の短いものが使われていたということです。

さて、長いセーフティーロックピンをどうやって入手しましょうか?

後編につづく・・。

(2018年7月10日追記: 後編を公開しました。)


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(2018年6月9日、梅雨の晴れ間。)









タグ:自転車整備
posted by 司法書士 前田 at 12:47| Comment(0) | 自転車