2018年08月30日

レーパンが嫌だ!(ハーフパンツという選択)


自転車を趣味とするようになってから、かれこれもう20年経ちます。しかし、その間にたった一着だけ購入したレーパン(レーサーパンツ)は、タンスの肥やしになってしまいました。実は、私は、レーパンが大嫌いなのです。

私がレーパンを嫌いな理由は、次のとおりです。

・ 見た目(ピチピチ、モッコリ、後ろから見るとサルの尻)
・ 下着をつけないことに対する抵抗感

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(趣向の分かれるレーパン問題。)


あとは、以前に何度か、レーパンで前を走っている人の尻が透けて、いろいろ見えてしまっているのを目撃したため、それがトラウマになっているからかも知れません。別に、レーパンを履く人を中傷しようというつもりは毛頭ありません。100%私自身の趣向の問題です。スケスケのレーパンにしても、レーパンというウェアのカテゴリーが悪いというわけではなくて、たまたま目撃したレーパンの品質が悪かっただけでしょう。


そんな私がいつも自転車に乗る時に着用しているのは、ハーフパンツです。ハーフパンツなら、自転車を降りて散策するときにも、格好良くきまります(と自分では思っています)。しかし、ハーフパンツの中にも、自転車に適したモノ、そうでないモノ、いろいろです。そこで、今回は、私のハーフパンツ歴から導き出した、「良いハーフパンツの法則」を紹介します。


法則@:「裾丈(たけ)は膝まで」
ハーフパンツと言っても、丈の長さは様々です。しかし、自転車に乗るためであれば、丈はせいぜい膝まででなくてはなりません。丈が膝より長くなると、汗で皮膚にくっついた裾が引っ張られてしまって邪魔だからです。格好だけにとらわれて7分丈を選んではいけないということです。特に汗をかくような季節には、裾丈の重要さを実感します。


法則A:「速乾ストレッチ素材」
ナイロンやポリエステル等の渇きやすい素材をベースとして、ストレッチのきいたポリウレタン等を混合してあるものがベストです。天然素材はダメです。長時間ペダルをこいでいると、パンツの素材によって疲労や不快の度合いが全く違ってきてしまいます。

かつて、自転車ウェア専門メーカーの綿100%素材のコジャレたハーフパンツを使っていたことがありますが、汗でベタベタしてとても不便でした。汗で濡れる部分を中心とした色落ちも酷いものでした。綿混の生地にしても、その混合比率は35%が上限でしょう。専門メーカーが作っているモノだからと言って、綿や麻の混合比率の高いものは避けるべきです。一見格好良くても、スポーツをするのですから、機能性が伴っていなければ意味がありません。



法則B:「尻部分に適度な厚み」
速乾ストレッチだからといって、全体がジャージ素材ではダメです。柔らかすぎて、サドルが尻に突き刺さってしまうからです。尻部分がペラペラ薄すぎる素材のモノも、同じ理由でダメです。また、ペラペラなナイロン生地は、股間に汗染みが目だって恥ずかしい思いをします。

よって、尻部分には、適度な硬さと厚みが無くてはなりません。理想を言えば、太股(ふともも)を上下させる動きに適したパネル素材を組み合わせたようなハーフパンツが良いのです。ただし、パッドは不要です。パッド一体型(取り外し式のものも含め)のものは、パンツ本体の造りが雑であることが多いので避けたほうが良いでしょう。



結局、上の条件に最も合うものは、MTBショーツです。ただ、MTBショーツもピンキリです。これに関しては、ちゃんとしたメーカーのモノが優れています。非常に高価なのは難点です。ただ、怪しげなメーカーの安モノは、生地が薄すぎたり、縫製が粗すぎたりで、良いものがないという印象です。

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(FOX製のMTBショーツ。カモ柄でカッコよい。)

自転車専用品以外では、TSデザイン「ハイブリッドストレッチショートパンツ」という作業用ズボンがおすすめです。これは細身なので、MTBショーツのシルエット(一般的に、裾が広がっている)が嫌いという人にもおすすめです。作業衣料専門メーカーが作っているだけあって、生地や縫製もしっかりしています。値段も手ごろです。登山用のハーフパンツにも似たものがありますが、夏用なので生地が薄すぎるモノが多いように思います。素材感を確認できない通販で買うのは気をつけましょう。もちろん、機能性では、MTBショーツのほうが上です。

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(細身のシルエット。TSデザインの作業用ズボン。)


ハーフパンツは夏だけのモノではありません。寒い季節には、ハーフパンツの下にスポーツ用のスパッツを履けば、一年中格好良いと思うのです。


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posted by 司法書士 前田 at 15:09| Comment(0) | 自転車

2018年08月25日

チェーンの徹底洗浄と潤滑(スキーワックスを活用!)


チェーンを洗浄するといっても、いつもは自転車に装着したままウエスで拭き取るだけなので、完全には綺麗になりません。そこで、今回は、久しぶりに徹底洗浄をやってみることにしたのです。

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(いつも掃除しているので、そこそこキレイ。)

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(スプロケットも、そこそこキレイ。)

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(作業前にチェーンの伸びを計測。規定内。)


今回洗浄に使うのは、水溶性チェーン・ディグリーサー(脱脂液)です。灯油、ガソリンや有機溶剤系のディグリーサーを使っても構いませんが、その場合、換気と廃液の処理にはご注意を。

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(防錆成分の入った水溶性チェーン・ディグリーサー。扱いやすくて安全。)

ペットボトルの中に、チェーンを入れ、ディグリーサーを原液のまま少々(ペットボトルの底から1cm程度)注ぎます。あとは、ボトルを5分程度シェイクします。ディグリーサーをチェーンの隅々まで浸透させ、頑固な油の塊を溶かすために、約1時間放置したら、また同じようにシェイクします。

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(ディグリーサーは少ししか使用しません。)

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(ボトルをフリフリ。)

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(途中、1時間ほど放置。)


原液での洗浄後、廃液を捨てて、水ですすぎます。廃液は、ペットシーツで燃えないゴミとして捨てます。すすぎも、ボトルに水を入れてシェイクするだけです。水が完全にきれいになるまで、すすぎを繰り返します。

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(原液での洗浄後、汚れがこんなに。)

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(before(左)と after(右)。一片の油汚れもない。)

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(干して水気を完全に飛ばします。)


次に、再潤滑です。

今回、普通のチェーンルブは使いません。昔スキーをしていた頃に買ってあったスキーワックスを使うのです。

チェーンの潤滑剤としては、大雑把に、オイル系、粉末系、とワックス(蝋)系の三種類が存在します。中でもワックスは、耐久性と防汚性に優れています。ただ、塗布が面倒なことがワックスの唯一の難点です。通常、鍋で蝋燭(ろうそく)を溶かして、チェーンごと煮るという怪しげな作業をしなければなりません。

ところが、スキーワックスは、煮る必要などありません。とても便利なものです。

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(ビニール袋にキレイになったチェーンを入れる。TOKOのスキーワックス。)

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(ワックス液をたっぷりかける。)

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(袋ごとモミモミ。各部にワックスを浸透させる。)

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(手で触れないようにチェーンを取り出す。)

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(ワックスが乾燥すると、表面が白っぽくなる。使用準備OK。)


久しぶりの徹底洗浄でした。ワックス処理まで行ったチェーンは、蛇のように滑らかでありながら、サラサラとしています。使うのがもったいないくらいです。


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posted by 司法書士 前田 at 13:33| Comment(0) | 自転車

2018年08月21日

税という名の債務


多重債務について相談を受けていると、多くの人が税について誤解していることに気づかされます。そこで、今回は、債権・債務という観点から税について考えてみることにしましょう。

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1 税の特徴:私債権・債務との比較
(1) 趣旨

税は、国や地方公共団体等、公権力の活動を支える原資です。公権力の借金(国債等)もいずれ税による償還を予定しているので、結局、税が原資であることに変わりません。

あまりに当たり前のことですが、この実感を欠いている人はかなり多いようです。「役所(=公権力)のやることはタダ(=無料)だ。」という勘違いは、珍しくはありません。しかし、公権力が行う個々の活動と税との対価関係を観念しづらいとは言え、公権力の活動は実は全て「有料」なのです。

したがって、税の賦課・徴収とは、単純化すれば、公権力の活動費の請求なのです。このことから、税は、個別の合意を要せず公権力によって、大量・反復的に賦課されるものであるという特徴が生じます。

これは、私債権・債務が合意(契約等)に基づいて発生するのと異なっています。実は、税に関する「合意」は、民主主義の過程に昇華されてしまって、普段意識されないようになっているのです。税が必ず法律に基づいたものでなければならないとされるのは、このためです(日本国憲法第84条)。



(2) 自力執行力とは
ほとんどの債権には、「執行力」が備わっています。私債権の執行力とは、確定判決を債務名義として強制的に債権回収することのできる性質のことです。これは、裏を返せば、債権者であっても、自ら無理やり債務者の財産を奪うこと(=自力救済)は許されず、債務者に対する勝訴判決を取る等の一定の手続を経なければならないということを意味します。

これに対して、税には、「自力執行力」が備わっています。自力執行力とは、滞納された税を、公権力が自ら強制的に徴収することのできる性質のことです。滞納税を強制的に徴収する手続のことを「滞納処分」と呼びます。公権力は、裁判等の手続を経ることなく、直接に滞納者財産を差押・換価して、徴税目的を達することができるのです。

国税の滞納処分の手続については国税徴収法が規定し、これが他の租税公課にも準用されます(地方税法第48条第1項、国民年金法第96条第4項等)。


(3) 徴収権の消滅時効
私債権は、原則として権利を行使できるときから10年間行使されない状態が続けば、時効により消滅します(民法第167条第1項)。ただし、期間の経過によっていきなり債権が消滅するのではなくて、時効の利益を受ける者によって「援用」される必要があります(民法第145条)。また、債権の時効消滅を防ぐ「中断」のためには、債権者は、債務者に対して訴訟を提起する等の手段を取らなければなりません(民法第147条第1号)。

* 平成29年民法改正(平成32年施行)により、債権の時効に関する規律は大きく変更されました。上の説明は、現行法に基づいています。

税の徴収権も、原則として納期限から起算して5年間行使されない状態が続けば、時効により消滅します(国税通則法第72条第1項、地方税法第18条第1項等)。しかし、徴収権は、期間が経過すればそれだけで消滅するのであって、時効の利益を受ける者による援用を必要としません(国税通則法第72条第2項、地方税法第18条第2項等)。反面、徴収権の消滅時効は、「督促」等によって容易に中断されてしまいます(国税通則法第73条第1項第4号、地方税法第18条の2第1項第2号等)。


(4) 破産手続における優先
破産手続において、税は、優先的破産債権とされ、さらに、その中でも、最も優先順位が高いとされます(破産法第98条、国税徴収法第8条等)。よって、配当手続によらずにこれを弁済したとしても、「否認」対象行為(破産法第163条第3項)にも、「偏頗弁済」(破産法第252条第1項第3号)にも当たりません。

また、同じ趣旨で、破産手続開始決定前に行われた税の滞納処分の効果は、開始決定にもかかわらず続行するとされています(破産法第43条第2項)。公権力が、破産手続中にもかかわらず、差押えた破産者の財産からいち早く満足を得ることができるのです。このことは、私債権による差押等が開始決定により失効してしまうここと対照的です(破産法第42条第2項)。

さらに、個人の破産者にとっては免責を受けることが自己破産のほとんど唯一の目的とも言えますが、納税義務は免責されることもありません(破産法第253条第1項第1号)。



2 公課との共通性
公課とは、「滞納処分の例により徴収することができる債権のうち国税・・及び地方税以外のものをいう」(国税徴収法第2条第5号)とされています。税以外の公的な金銭負担のことです。代表的な公課は、健康保険料、社会保険料等です。

公課も、税と同様の性質を持つことから、上記1で述べた税の特徴の多くが当てはまります。



3 まとめ
税を誤解している人は、納税を後回しにしがちです。あたかも税を最劣後債権であるかのように扱ってしまうというわけです。しかし、上で見たとおり、税は、最優先の債権であって、裁判等の手続を要せずに差押・換価できる性質を持った非常に強い債権です。さらに、破産免責を受けたとしても、納税義務を免れることは出来ません。

よって、税を滞納してしまったら、税務当局(税務署、市役所等)との間で、なるべく早めに分納や延納の交渉をすべきでしょう。この点だけは、私債権よりもずっと容易なはずなのですから。








posted by 司法書士 前田 at 09:31| Comment(0) | 金銭トラブル

2018年08月19日

1×8(ワン・バイ・エイト)MTBにナロー・ワイド・リングを装着


単純で丈夫な自転車が私の好みです。今回は、そんな私の趣向にピッタリの部品交換を行います。ワン・バイ・エイト(フロント変速機なし、リア8段変速)のMTBに、近年急速に普及してきたナロー・ワイド形状のチェーンリングを装着するのです。

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(私の趣向を形にすれば、1×8、フルリジッドのMTB。)


ワン・バイの自転車では、チェーン落ちを防止することが重要な課題です。通常はフロント・ディレイラーのケージがチェーンの暴れを抑制しているのに、ワン・バイの場合にはこれが無いからです。ナロー・ワイド形状のチェーンリングはチェーンのリンク形状に沿っているため、チェーン落ちを防止する効果が期待できます。

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(これまでは、チェーンを、チェーンウォッチャーとバッシュガードで挟み込んで、チェーン落ち対策。)


最近、安価なナロー・ワイドのチェーンリングが出回るようになりました。老舗のパーツメーカーにとってはけしからんことでしょうが、私にとってはありがたいことです。

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(今回装着する中国製のナロー・ワイド・リング。)

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(既存のチェーンリング・ボルトが、固着して一つ外れないというトラブル。)

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(工作用ルーターでボルトを破壊した。)


これまで使用してきたチェーンリングは、変速用ミドルリングで、歯が浅く、変速ピンもついています。つまり、チェーン落ちしやすい形だということです。これに対して、ナロー・ワイド・リングは、歯が深く、チェーンをしっかりと噛み込む形状をしています。

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(右が変速用。左がワン・バイ専用のナロー・ワイド。違いは明白。歯数はどちらも32T。)


ワン・バイにするということは、チェーンリング(前側の歯車)の位置を変えずに、トップからローまでスプロケット(後側の歯車)全体を使うということです。チェーンがある程度ヨジれてしまうのは、ワン・バイの宿命です。

このため、チェーンリングの位置を、スプロケットの中間でチェーンラインが整う(チェーンが真っ直ぐになる)ように調整しなければなりません。私のMTBの場合、クランク(トリプル用)のミドル部分にチェーンリングを装着すれば、チェーンラインが整うはずです。

ところが、今回購入したナロー・ワイド・リングは、アウター部分にはポン付けできても、ミドル部分には付けられないようなサイズです。PCDが104mmといっても、アウターとミドルでは、微妙にサイズが異なるのです。そこで、クランクの干渉部分を0.5mm程度ずつ4箇所ヤスリで削ることにしました。

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(アウター部には加工なしでピッタリ装着可能。しかし、これではチェーンラインが狂う。)

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(重ねると、変速ミドル用のチェーンリングとのサイズの違い(〇部分)が分かる。)

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(今では珍しいISIS規格のボトムブラケットとクランク。コッタレス抜き工具でクランクを外す。)

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(干渉部分4箇所をヤスリで削る。)

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(1箇所だけ削り終えたところ。あと3回繰り返す。)

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(削り作業完了。装着できるようになった。)


ワン・バイの専用システムは、10速以上のものしか存在しません。そして、ナロー・ワイド形状のチェーンリングも、本来は10速以上を対象としたものです。しかし、薄歯のチェーンであれば、8速であろうが12速であろうが、ローラー幅は全て3/32インチ(厳密に言えば、シマノ9速以上のチェーンはローラー幅が若干狭い。)ですから、ナロー・ワイド・リングもピッタリと適合するはずです。全く問題ありません。

今回、バッシュガードを付けようか迷いましたが、結局、付けないことにしました。その方が、見た目がすっきりして、掃除しやすいという理由です。バッシュガードを付けない場合には、ダブル用ではなくてシングル用の短いチェーンリング・ボルトが必要になりますので、ご注意を。

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(クランク周りが軽快になったと自己満足にひたる。一見何の変化もないようだけれど。)

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(ビニールテープで応急のチェーンステイ・プロテクターのつもり。)

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(8速用チェーンをしっかりと噛み込んでいる。安心感あり。)



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posted by 司法書士 前田 at 09:53| Comment(0) | 自転車

2018年08月16日

不動産取引におけるエスクローの活用について


不動産取引の一端(私の司法書士業も含め)にでも関われば、そこがいかに内部者の論理に支配された不透明で非合理な場であるかを目の当たりにします。そこでは、本来主役たるべき取引当事者の利益は、蔑ろにされがちです。

そこで今回は、問題だらけの現状への解決策の一つとして、アメリカの不動産取引で広く利用されている「エスクロー」( escrow )という決済の仕組について概観するとともに、日本で同様の仕組を導入する困難についても考えてみることにしましょう。

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1 不動産取引の特徴
不動産取引の一般的特徴は、「赤の他人(売主/買主/金融機関)同士が、唯一無二の個性を持った財産(不動産)をめぐって、高額取引(売買/ローン)を行う。」ということです。この特徴のため、不動産取引には様々な不安が伴います。主なものだけ次に挙げてみました。

ア 相手方当事者は誠実か?(相互の義務履行確保の問題)
イ 仲介者は誠実か?(利益相反の問題)
ウ 対象物件の価値・品質は適正か?(評価、瑕疵修補責任等の問題)

売買契約の当事者は互いに義務を負います。例えば、売主の主な義務は、買主に対して物件を引渡すことです。これに対して、買主の主な義務は、売主に対して代金を支払うことです。しかし、この当たり前の相互の義務履行を確保することには、意外に落し穴が多いものです。例えば、最近有名になった「地面師」という詐欺の手口は、簡単に言えば、売主を装った詐欺師が、物件の所有権を引渡すことなしに、買主から代金だけだまし取ってしまうというものです。相手方をよく知らないということは、それ自体がリスクなのです。

また、不動産取引において赤の他人同士を結び付けるという役割を担っている仲介業者にも問題があります。建前のうえでは、仲介業者は、依頼者であるそれぞれの取引当事者(売主又は買主)の利益の最大化を志向すべき立場です。しかし、取引の重要情報が仲介業者に偏在し容易に操作される現状では、彼らが当事者よりも自己の利益を優先して行動するのは人の性(さが)でしょう。狐に鶏小屋の番をさせるような取引の仕組に問題があるのです。

さらに、これから不動産を購入しようとする素人の(=不動産業界関係者でない)買主にとって、初めて接する物件の価額が適正であるかを見極めることは困難です。判断ための情報は、不足しているか、一方的なものでしかないか、又は入手方法すら分からないか、のどれかでしょう。また、買主には、購入前に物件を主体的に検査( home inspection インスペクション)する機会も事実上ありません。つまり、素人にとって、不動産の購入は、イチかバチかに近いものです。購入後に重大な欠陥が判明した場合、その責任のほとんどは買主に掛かってしまいます。

最後に、購入資金がローンである場合、担保対象の不動産の価値は金融機関にとっても重要であるはずです。しかし、金融機関には不動産の価値を判定するノウハウが大幅に不足しているのが現状です。超低金利の現在、担保価値を逸脱した融資がなされることも珍しくはありませんが、このようなことは非常に不健全です。


アメリカでは、上記のような不安を解消するため、不動産取引において「エスクロー」という決済の仕組が広く利用されています。



2 エスクローとは
(1) エスクローの基本
エスクローとは、簡単に言えば、中立の第三者機関「エスクロー・エージェント」( escrow agent )が当事者の義務履行を監督する決済方法です。エスクローは、不動産取引に限定されるわけではなくて、赤の他人同士(隔地者間)の定型的取引であれば、何にでも利用することができます。取引金額の多寡も関係ありません。

例えば、ヤフー・オークションで用いられる「ヤフーかんたん決済」は、多くの人にとって既にお馴染みのエスクローです。ここでは、ヤフー社(=エスクロー・エージェント)が落札者から入金された代金を一旦留保して、商品の受領を確認した後に出品者に送金するのです。たったこれだけのことで、代金を振り込んだのに商品が送られてこない(逆に、商品を送ったのに代金が振り込まれない)というネット取引の典型的トラブルを防いでいるのです。不動産取引におけるエスクローも、基本は同じです。


(2) 不動産取引におけるエスクロー
まず、売主と買主が締結する売買契約の中身として、次のような諸点が定められます。

ア 物件、当事者、代金価額、手付
イ 決済日
ウ エスクロー利用に関する事項
エ その他条件
  ・ 権利(所有権登録確認、旧担保権・利用権抹消登録確認等)
  ・ 建物等検査(インスペクション)
  ・ 融資に関する事項
  ・ 保険(権利、損害)利用に関する事項

売買契約締結の後、両当事者の依頼を受けたエスクロー・エージェントによって「エスクロー口座」( escrow account )が開設されます。エスクロー口座というのは、一定期間(不動産取引なら通常2カ月)だけ存続する一種の信託口座です。両当事者の義務を保管するための「容器」のようなものと考えると、分かりやすいでしょう。

売主側は、対象不動産の所有権を証明し、旧担保権等を抹消し、建物のインスペクションを受け入れる等の義務があります。

まず、全国統一の登記制度がないアメリカでは、売主の所有権証明のためには、専門の機関による調査( title search )を要します。ここでは、公共機関への所有権の登録履歴や、完全な所有権取得の障害となるような権利がついたままになっていないか等が調査されます。万が一の権利覆滅の危険に備えて、権利保険( title insurance )が利用されることもあります。

次に、売主は、買主のインスペクションを受け入れなければなりません。インスペクションの項目として一般的なのは、基礎、シロアリ、配管等の検査です。ここで重大な瑕疵が発見されれば、決済前に修補責任をどちらが負担するかが交渉されたり、契約が解除されたりします。

また、もし対象不動産が担保に供されているのであれば、売主は、決済までに債権者との間で、担保権抹消の準備を調えておかなければなりません。

一方、買主側は、手付、売買代金や諸手数料を支払う等の義務があります。もし、買主がローンを利用するのであれば、決められた期間のうちに融資を確保する必要が生じます。融資申込みを受けた金融機関の側では、前提として、対象不動産を評価( appraisal )しなければなりません。融資が承認されなければ、売買契約は解除されます。

上記一連の義務履行のための行為は、エスクロー口座に対して順次行われます。エスクロー口座という「容器」を履行された義務で満たしていくというイメージです。エスクロー・エージェントは、当事者の義務が全て果たされた(容器が満杯になった)ことを確認した後に、「決済」を行います。すなわち、売主に対しては売買代金を支払い、買主に対しては所有権登録をし、その他関係者に対してはそれぞれ応じた手続を行い、最後にエスクロー口座を閉鎖( closing of an escrow account )するのです。



3 日本にエスクローを導入する難しさ
日本には、「エスクロー法」なる法律は存在しません。また、エスクローは「為替取引」の一種であるため、これを行うためには銀行業の免許を受けなければなりません(銀行法第第4条第1項)。さらに、一時的に売買代金等を滞留させることも、預金の性質を有するため、銀行以外の者が行うことができません(「出資の受入れ、預り金及び金利の取り締まりに関する法律」第2条等)。

実は、上に挙げたヤフーかんたん決済は、「資金決済に関する法律」(以下、「資金決済法」という。)によって、「資金移動業者」の登録を受けた会社等が例外的に行うことのできる為替取引という位置づけをされています(資金決済法第37条)。ただし、取引額が比較的少額に制限されており、不動産取引には利用できません。また、資金移動業者の倒産から利用者を保護するため、資金移動業者は、十分な履行保証金を供託しなければなりません(資金決済法第43条等)。

では、現行の法律の範囲内で、不動産取引等(取扱金額が大きい取引)にエスクロー(的な仕組)を利用することはできるでしょうか?この疑問に対しては、できるとも、できないとも答えられるでしょう。

エスクローは、一種の信託でもあります。信託について本稿では説明を省略します(「信託とは」http://wakaba-office.biz/column/20141113.html)が、簡略化すれば、資産管理権者である「受託者」を中心として、出資者である「委託者」と資産運用の恩恵を受ける「受益者」という3者が登場する法的枠組のことです。これと同様に、エスクローも、エスクロー・エージェント=受託者を中心とした3者間の信託であると解することができます。現在日本で行われている不動産エスクロー取引は、信託法の枠組を借用したもののようです。

しかし、エスクローを一般化するためには、それを規律する特別の法律が不可欠と考えられます。というのも、通常の信託とは異なり、エスクローにおける当事者は、当然に委託者でも受益者でもあるからです。また、エスクローの目的・期間等も定型的であって、信託のオーダーメード的な仕組とは大きく異なります。一回の取引規模が数十億円にもなるのであればその都度エスクロー的信託契約を締結しても良いのかも知れませんが、一般のマイホーム購入等に利用するには不便でしょう。

他方で、今後、インターネットでの不動産情報の公開が、内部者の予想を超えて進むかもしれません。つまり、赤の他人同士が、ネットの不動産情報を通じて直接(仲介業者抜きで)出会う機会が増えるということです。そうなれば、赤の他人間の高額取引を円滑・安全・適正に進めるきちんとした法的枠組を整備することが急務でしょう。



4 おまけ:日本版インスペクション
(1) インスペクション告知の義務等
本年(2018年)4月、既存住宅(中古住宅)のインスペクション告知の義務等を規定した改正宅地建物取引業法(以下、「宅建業法」という。)が施行されました。この改正は、欧米に比べて既存住宅の流通割合が極端に低い日本の住宅市場の活性化を意図したものです。

主な改正点としては、まず、媒介契約締結時に、仲介業者が、インスペクション業者をあっせんすることの可否を示し、依頼者の意向に応じてあっせんを行うこととされました(宅建業法第34条の2第1項第4号)。次に、売買契約締結前に行われる重要事項説明の際、仲介業者が、インスペクション実施の有無及びその結果を示さなければならないこととされました(宅建業法第35条第1項第6の2号)。さらに、売買契約に際しては、建物の構造耐力上主要な部分(基礎、外壁等)の現況を当事者双方が確認し、仲介業者がそれを書面として交付しなければならないとされました(宅建業法第37条第1項第2の2号)。

要するに、日本版インスペクションは、取引対象となっている建物について「第三者」専門家であるインスペクション業者による品質検査の制度を創設し、その利用により既存住宅の流通を促そうというものです。


(2) 問題点
施行早々ですが、日本版インスペクションには問題だらけです。制度設計がこのままでは、インスペクションとしての実効性も怪しく、その利用が広がることもないでしょう。

一番の問題は、誰のためのインスペクションかという根本が欠落していることです。インスペクションというものは、買主が購入対象不動産の品定めをするために行うものであるはずです。よって、決済を前に重大な欠陥が見つかった場合、売買契約を解除することさえ想定されなくてはなりません。

ところが、日本版インスペクションは、買主が主導するようには作られていません。日本の不動産取引慣行と併せて宅建業法を読めば、インスペクションを実施する「依頼者」(宅建業法第34条の2第1項第4号)とは、売主でしかありません。常識で考えれば、売りたいと思っている人が、わざわざインスペクション費用を支払って、不利な検査結果を買おうとはしないものです。つまり、売主主導のインスペクションには利益相反があるのです。さらに、売買契約成立で利益を得る仲介業者がインスペクション業者をあっせんするのですから、契約不成立になりかねない正直なインスペクション業者など初めから選定しないのが道理です。このように、日本版インスペクションには、何重にも利益相反が生じます。

また、日本と欧米とでは、不動産に対する価値観も異なります。日本での戸建住宅の建替えサイクルは僅か30年程度でしかありません。まだ十分に使えるきれいな中古住宅でも、築20〜30年を超えれば市場でほとんど評価されなくなってしまいます。たとえインスペクションが買主主導になったとしても、わざわざ費用をかけて、価値が低い(と日本人の多くが思い込んでいる)中古住宅にインスペクションをしたいという買主がどのくらいいるでしょうか?


思うに、インスペクションは、エスクローの一部として組み入れるべきものです。既存の不透明で非合理な不動産取引の枠組みが続くのであれば、インスペクションだけ切り離して持ってきたところで、大きな効果を期待するのは能天気というほかありません。







posted by 司法書士 前田 at 16:21| Comment(0) | 登記業務