2019年01月09日

不眠よ、さらば!(良い睡眠のための作法)


現在、毎晩快眠している私にとって不眠症は他人事です。しかしそんな私も、かつて、「眠っている時間がもったいない。」という誤った価値観のもと、睡眠を極限まで削っていた時代がありました。その頃、心も身体もいつも霞のかかったような状態で疲れきっていたのを反省交じりに思い出します。

今回は、かつての自分自身に対する戒めとして、また、世の中の多数の不眠の人達へのアドバイスとして、良い睡眠のためのいくつかのテクニックを披露したいと思います。

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(時間帯によって飲みものを使い分ける。)


1 睡眠を理解する
(1) 自律神経とホルモンの作用による生理リズムである
自律神経とは、人の意思に関係なく身体の生理機能を自動管理している神経系のことです。

自律神経を構成する交感神経と副交感神経には相反する役割があります。すなわち、交感神経はいわゆる「戦闘・逃避モード」を管理し、他方、副交感神経は「休息・消化モード」を管理しているのです。

眠くなるということは、副交感神経が最も優位な状態になるということです。就寝時間に近づくにつれて、副交感神経の作用により、メラトニン等の睡眠をうながすホルモンの分泌が盛んになります。

逆に、朝には交感神経の作用によりコルチゾル等の緊張に関わるホルモンの分泌が盛んになります。

つまり、夜眠るのも、朝目が覚めるのも、自律神経とホルモンの自然な作用による生理リズムなのです。


(2) 大切な生理機能がある
睡眠というものは、交互に深い睡眠(ノンレム)と浅い睡眠(レム)とを1サイクル約90分の間隔で繰り返します。ノンレムからレム、レムからノンレム・・という移行は、脳波(δ波→θ波→δ波・・)の変化に対応したものです。

また、ノンレムとレムとでは、その生理機能(ノンレム=回復・成長・デトックス等、レム=記憶整序等)も大きく異なります。それら機能が十分に発揮されることが「良い睡眠」ということになるのです。

「寝る子は育つ。」というのは、成長ホルモンに関わる本当の話です。これは子供だけではなくて、大人にとっても大切です。良く眠っている人は、潤沢な成長ホルモンにより身体も若く保たれるからです。

また、脳が日中活動することによって生ずるベータアミロイドタンパク(Aβ)は、睡眠時にインスリン分解酵素によって除去されることが知られています。Aβの蓄積=プラーク化は、アルツハイマー型認知症患者の脳神経細胞間に観察される現象で、アルツハイマー型認知症の原因であるという仮説が有力です。ところが、脳の老廃物を除去する「グリンパ系」( glymphatic sysytem )は、睡眠中にしか機能しないのです。つまり、良く眠ってAβをきれいに除去することが認知症予防の有力な手段の一つになるのです。

さらに、学生にありがちな行動ですが、試験勉強等のために徹夜で知識を詰め込むことにはほとんど意味がありません。知識というのは、利用しやすいように整序されていなければ、ただの雑音と同じだからです。短期記憶をつかさどる脳の領野と、長期記憶をつかさどる領野とは異なっており、短期から長期記憶への移行・整序を行うことも睡眠の機能の一つなのです。つまり、試験で良い成績を上げたければ、だらだらと徹夜で勉強するより、メリハリのある勉強をしてさっさと寝たほうがよいのです。

以上の他にも、睡眠には様々な機能があります。まだ科学によって解明されていない睡眠の機能も沢山あることでしょう。よって、「眠っている時間がもったいない。」ではなくて、「眠らなければもったいない。」と考えるべきなのです。



2 実践しよう
以下は、良い睡眠をとるための実践テクニック、というより生活習慣です。不眠の人は、自身の生活習慣を振り返ってみてください。


(1) 日光
日中、必ず日光を浴びるようにしましょう。たとえ曇りや雨の日でもです。太陽光は、曇っていても室内灯とは比較にならないほどの光量があります。昼間、室内に閉じこもらずに、できるだけ口実を作って外に出るのです。

強い光を浴びることは、体内時計をリセットするために必要なことです。体内時計サイクルは、地球の自転サイクル(24時間)よりもやや長い時間(24時間+15〜30分)であるため、毎日リセットする必要があるのです。体内時計が正常に働いていれば、いつも決まった時間に眠くなり、決まった時間に起きることができます。


(2) カフェイン
コーヒーは、正午までに飲み切るようにしましょう。

コーヒーに含まれるカフェインには覚醒・興奮作用があり、その効果の半減には摂取後8時間もの時間がかかるのです。カフェインが体内に大量に残ったままでは、交感神経優位な状態が続くため、良い睡眠がとれません。

午後どうしてもコーヒーを飲みたいのであれば、カフェインレスのコーヒーが便利です。カフェインのパンチはありませんが、コーヒーの味を楽しみ、健康成分(マグネシウム、リグナン、クロロゲン酸、その他抗酸化物質)を摂取することはできます。

茶のカフェイン含有量は、コーヒーに比べると茶の種類によって半分から4分の1と低めなので、量に気をつければ午後に飲んでも構いません。また、緑茶に多く含まれるテアニンには鎮静作用があるため、カフェインの悪影響を減殺することにもなります。夜に緑茶を飲んでも不眠にならないのはこのためです。ただし、利尿作用はそのままなので、緑茶と言えど飲み過ぎは禁物です(夜中におしっこがしたくなり目が覚めてしまいます。)。

もちろんカフェイン増量のエナジードリンクは論外です。


(3) アルコール
アルコールは、睡眠を阻害する毒物と心得ましょう。アルコールは、完全に避けることが良い睡眠のための理想です。(ごく微量のアルコールがグリンパ系の働きに良い影響をもたらすという最近の研究がありますが、どの程度のお酒を飲んで大丈夫かという具体的な指標はまだありません。それに、アルコールが体内で分解されるときに生成されるアセトアルデヒドは毒でしかありません。現時点で言えることは、飲酒を完全に避けることが良い睡眠のためにも、健康のためにも安全だということです。)

寝酒を飲むと良く眠れると勘違いしている人がいますが、これは大間違いです。良い睡眠とは、睡眠の機能を最大限に発揮させることをいうのであって、単に意識のない状態に陥ることではないのです。同じ理由で、睡眠薬も良い睡眠のためには逆効果です。

どうしても酒の席に付き合わなければならないのであれば、飲酒の前にウコンと黒コショウをお湯で溶かして飲むのが次善策です。ウコンにはアルコールの影響を緩和する効果があります。黒コショウは、ウコンの吸収を補助する作用があります。この簡単な「解毒薬」は、たいていのスーパーやコンビニで安価に手に入ります。


(4) 運動
毎日必ず運動しましょう。午前中、15〜30分、空腹状態で、汗ばむ程度の筋トレを行うことが理想です。

「午前中」、「15〜30分」、「空腹状態」、「筋トレ」とかいろいろ限定を付けましたが、その理由は今回の主テーマからは離れてしまうので省きます。しかし、これらの限定や理由にあまりこだわることなく、運動すれば良く眠れるようになることは誰でも知っている常識です。午後に運動しても、運動時間が5分でも、多少胃に食物が残っている状態で運動しても、ジョギングしても、胸を張って歩くだけでも、運動すれば効果はあります。

午後行うのであれば、静的ストレッチやヨガ等の運動がお勧めです。

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(日常的な運動は良い睡眠の基本。筋トレだけでなく有酸素運動も。)


(5) リラックス
睡眠前には、リラックスすることを心掛けましょう。

リラックスのための具体的方法は、静的ストレッチ、ヨガ、瞑想、呼吸法、マッサージ、温浴、読書・・何でも自分に合った好きなことを習慣化すればよいでしょう。リラックスは、睡眠のための副交感神経優位の状態を作り出すことでもあるのです。

その日の昼間起こったことについていろいろ悩んでも何も問題は解決しません。グッスリ眠れた翌朝は、自ずと問題が解消していることが多いものです。


(6) 液晶スクリーン禁止
就寝の2時間前からは、スマホ、パソコン、テレビのスイッチは切りましょう。

液晶画面から発せられるブルーライトは、脳を緊張状態にして睡眠を妨害してしまいます。視神経には、メラノプシンというブルーライトに反応するタンパク質が存在するのです。

どうしても、液晶画面を見る必要がある場合には、次善策として、ブルーライトカット用のメガネ、アプリケーション(f.lux等)、スマホ設定(iphoneのナイトシフト設定等)を利用しましょう


(7) 就寝時間
夜10時までには就寝しましょう。

睡眠の「黄金時間」は、午後10時から午前2時であると言われます。この時間帯に成長ホルモンが最も多く分泌されるのです。


(8) 睡眠環境
ア 服装
薄手の服装で寝ましょう。寒いからといってブクブクに着込んで布団に入るのは、睡眠中の理想的な体温発散や寝返りの障害になってしまいます。


イ 室温
室温はちょっと低めにしましょう。体温は、眠くなると下がるようになっています。自然な体温変化を邪魔してはいけません。


ウ 寝具
枕は、横向きに寝たときに首から背骨が真っ直ぐになる高さのものを選びます。高さが合わなければ、バスタオル等で調整します。

敷布団は、身体があまり沈み込むものではいけません。むしろ、若干固めのものを選びます。

掛け布団は、あまり重くないものを選びます。羽毛が理想です。毛布を掛ける場合には、掛け布団のさらに上に掛けます。

これらは、正常な寝返りをうつために必要な条件です。フカフカで身体を包み込むようなマットレスは、寝始めは心地良いかも知れませんが、起床した時には身体が痛くなるはずです。人の関節は、動きによって間接液が循環して、栄養・酸素・老廃物を交換するのです。死体のように動かないのは、良い睡眠ではありません。


エ 照明
真っ暗にしましょう。窓から漏れてくる光、電化製品の電源LED、常夜灯等、あらゆる光を遮断します。

光りを感じるのは目だけではありません。皮膚にも光を感受する組織があるのです。

どうしても常夜灯をつけたいというのであれば、最低限の間接照明になるように工夫しましょう。


オ 目覚し時計
目覚し時計は使ってはいけません。

睡眠にはサイクルがあることは前記した通りです。深い睡眠(ノンレム)の途中でアラームが鳴れば、せっかくの睡眠が台無しです。


(9) 睡眠時間
睡眠には、質も量も大切です。

質の良い睡眠がとれていれば睡眠時間にあまり神経質になる必要はありませんが、平均して4〜5サイクル分(1サイクル=約90分)の睡眠をとることが理想です。

質の良い睡眠とは、睡眠の機能が十分発揮された状態のことです。起床後にスッキリした感覚があるので、睡眠の質が良いかどうかということは簡単に実感できます。時間が長いわりにスッキリ感が無いのは、質の悪い睡眠であったということです。


(10) 食事
ピンポイントで何がどのような影響を生むのかを説明することは今回のテーマと離れてしまうので書きませんが、食事の習慣も睡眠に影響します。食事は、体内時計の制御やセロトニン(「幸福」ホルモン/神経伝達物質)の分泌等に密接に関連する複雑な分野です。結論だけ列挙すれば、次のような項目に気をつけた食事を習慣化するということです。

ア 砂糖、甘味料、及びそれらを含んだ加工食品を避ける。
イ ジュースやソーダを飲まない。
ウ サラダ油(キャノーラ油、大豆油、マーガリン等)を使用しない。
エ 穀類(小麦粉、米等)を食べ過ぎない。
オ 間食しない。
カ 脂肪、タンパク質、野菜をたっぷり食べる。

ア〜オは禁止項目、カが積極的に実践すべき項目です。禁止項目が多いのは、現代人は身体に悪い余計なことをそうと気付かずに習慣化してしまいがちだからです。もっともらしい理屈でおかしな食事法を推奨するようなエセ健康法も世に溢れています。しかし、太古の昔から人類が生き残ってきたことを考えてみれば、その生き残るための食事法はとてもシンプルで、現代人がやっているような余計で複雑な食事法ではなかったはずです。

一度騙されたと思って、上の項目を3カ月継続してみてください。理屈は抜きに効果がわかるはずです。その効果は睡眠だけにとどまらないでしょう。そして、もし効果を実感したら、それをこれから一生続けてみましょう。

砂糖や甘味料を避けると言ったって、たまに(毎日ではない。)甘いものを食べるくらいは構いません。穀類を控えるからといって、別にパンや米飯を食べてはいけないなどと極端なことを言うつもりもありません。私自身は一日一食しか食べませんが、他の人に同じような食習慣を勧めるつもりもありません。「脂肪をたっぷり食べたら、太ったり、血管がつまったりするのではないか?」と心配する人がいるかも知れませんが、身体は経口摂取した脂肪がそのまま体脂肪になったり血液に混ざったりするような粗雑単純な構造をしていませんので気にする必要はありません。




3 睡眠時の呼吸障害について
良く眠れない原因が、睡眠時の呼吸障害にあることもあります。良く知られているのが睡眠時無呼吸症候群です。睡眠時に舌等の肉が気道を塞いでしまい、数十秒から数分間も呼吸が止まります。

原因は、肥満、加齢、口呼吸の習慣化、服用している薬の影響等があるでしょう。本人に症状の自覚が無いことが多いので、家族が早めに気づいてあげることが重要です。本人が気づく端緒は、日中突然の(気絶するような)居眠りです。睡眠時無呼吸症候群については、今回のテーマから外れるのでこれ以上書きません。

また、口呼吸が習慣化している人は、眠っているときにも口呼吸になっていることでしょう。口呼吸は睡眠の質に影響するだけでなくて、様々な健康上の障害を引き起こします。上の睡眠時無呼吸症候群というのは、そのうちのほんの一部に過ぎません。ヒトを含む哺乳類は全て鼻呼吸に適した身体構造・生理機能を持っているのであって、口呼吸というのは非常時(例:鼻づまり、犬の体温調整等)にしか行わないものです。鼻呼吸を習慣化する重要性については、今回のテーマから外れるのでこれ以上書きません。



以上、読んでみてどう感じますか?当たり前の事ばかりでしょう。

そのとおり。ヒトという動物は、当たり前に生活していれば、よく眠れるように造られているのです。つまるところ、不眠とは、自然の摂理に反する生活習慣の結果でしかないのです。



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タグ:健康
posted by 司法書士 前田 at 18:26| Comment(0) | 日記
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