2018年06月10日

折り畳み自転車(Tern Link Uno) のヒンジの不具合(前編)

5年愛用しているターン社製の「リンク・ウノ(2012年製)」は、折り畳み自転車としてはとてもよくできた自転車だと思っていました。
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(ウノ。)

ところが、ある日、歩道の段差を乗り越えようとハンドルに力をかけた途端、ハンドルポストのヒンジ(蝶番)が開いてしまい(つまり、ハンドルポストが真っ二つに折れ)、あわや転倒するかという事態になりました。どうも、ヒンジのロックが機能していないようでした。とりあえず、応急処置でその場をしのぎましたが・・。
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(ハンドルポストのヒンジ部をいろいろグルグル巻きにしてある。)

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(実は、針金と結束バンド。)

それから1年半、ウノは応急処置のままの状態で使われてきました。

そこで、本日、重い腰を上げて、ヒンジの不具合の原因を探って(可能なら修理して)みようと思い立ちました。

まず、応急処置の針金と結束バンドを外して、ロックを観察すると、バネで下がった上爪(正式には「セーフティーロックピン」というそうです。)が、自転車本体側の下爪に引っかかるような仕組みになっています。
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(○印のところに、上爪と下爪。)

ところが、明らかに上爪の長さが数mm足りません。つまり、ヒンジを閉じた状態で、上爪と下爪が引っかかるどころか、2mmものギャップが開いているのです。
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(ヒンジを閉じた状態。上爪と下爪の間にあるはずのないギャップが!)

フレーム中央のヒンジも同じ構造で、同じ部品を使っています。こちらは問題ありません。
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(フレームのヒンジも同じ構造。)

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(フレームヒンジのロックはきちんと機能しています。)

パンドルポストのロックを分解してみましたが、上爪の長さは調整できないことが分かります。ちなみに、ウノには、ヒンジの硬さを調整するネジはありますが、これは、ロックの爪の長さとは何の関係もありません。
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(ロックのレバーは、上爪に固定されています。)

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(上爪の長さを調整できるかと期待しましたが、ダメでした。)

上爪が折れたり、削れて短くなったような形跡はありません。ということは、これは、製品自体の不良であるということです。これまで、怪我をせずに無事に使用できていたのは、幸運のなせる業です。
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(結局、上爪の長さを長くすることはできません。)

5年使用してきて、今更、メーカーにクレームをつけようとは考えていません。ウノを気に入ってもいます。ただ、ターン社の自転車は皆同じヒンジの構造をしているので、同社の折り畳み自転車を使用している人は一度確認してみることをお勧めします。

専用部品ばかりを使った折り畳み自転車の場合、小部品のみを注文することができないようになっている(ハンドルポスト全体の交換が必要になるかも)ことが多いものです。ある程度規格が一定している普通の自転車と比較して、とても不便です。
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(爪1個のために、ハンドルポストAssy 16,000円也。・・ありえへん。)

というわけで、また結束バンドで固定することにしました。つまり、応急処置が永久処置になったという訳です。当面折りたたんで使用することは無いので、これで良しとしましょう。
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(また結束バンドに頼るはめに。)

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(原因解明できて、めでたし、めでたし・・?)



・・・と、ブログを書き終えようとしていたところで、もしやと思って、ターンの折り畳み自転車のヒンジ部のことについてネット検索しているうち、ターンの上爪(=セーフティーロックピン)には、2種類の長さの異なるものがあるらしいということが分かりました。このうち、長いものがハンドルポストヒンジ用で、短いものがフレームヒンジ用だとのことです。ということは、私のウノのハンドルポストヒンジには、誤ってフレームヒンジ用の短いものが使われていたということです。

さて、長いセーフティーロックピンをどうやって入手しましょうか?

後編につづく・・。




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(2018年6月9日、梅雨の晴れ間。)



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posted by 司法書士 前田 at 12:47| Comment(0) | 自転車

2018年05月27日

機械式(メカニカル)ディスクブレーキの調整

機械式ディスクブレーキを使用していると、次第にレバーの「あぞび」が大きくなってきます。この原因は、ワイヤーを交換したばかりであればワイヤーの「初期伸び」のためであるかも知れませんが、たいていはブレーキパッドの磨耗のためです。ブレーキパッドが左右合計1mm磨耗すると、レバーの遊びが10〜20mmも増加してしまうほどです。ブレーキの操作感が大きく変化してしまって危険です。

そこで、今回は、機械式ディスクブレーキ(br-m416a)の調整方法を説明してみましょう。

まずは、ブレーキキャリパー固定ネジを緩めます。これによって、キャリパーが左右に動くようになります。
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(○印が固定ネジ。)
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(緩めるだけです。)

キャリパー内側のパッド位置調節ネジを、少しずつ締めていきます。1ノッチ締める毎に、ブレーキレバーを握って、レバーの遊びが最適(よりやや少なめ)になるところまで根気よく締めていきます。
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(最適点を探りながら、1ノッチずつ締めていく。)
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(1ノッチ締める毎に、ブレーキレバーの遊びを確認。)

パッド位置調整が済んだら、ブレーキレバーを強く握ったまま、キャリパー固定ネジをしっかりと締め、キャリパーを固定します。
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(ブレーキレバーを握ったまま、固定ボルトを締める。)

パッド位置調整ネジを、2ノッチ分又は3ノッチ分戻します。これは、シマノの低グレードのブレーキシステムの場合、片(内)側のブレーキパッド位置を調整することしかできないため、このまま調整ネジを戻さない状態だと、ブレーキディスクに内側パッドがベッタリとくっついたまま(引きずり)になってしまうからです。
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(2〜3ノッチ戻して、引きずりを解消。)

ワイヤーの張り具合は、キャリパーとレバーそれぞれについた調整ネジで微調整します。
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(キャリパー側ワイヤー調整ネジ。)
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(レバー側ワイヤー調整ネジ。)

仕上げに、ブレーキレバーを握って遊び量を確認し、ホイールを回転させてブレーキの引きずりが無いことも確認したら作業完了です。
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(レバーの遊びは最適。)
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(ホイールも軽い。)

後ろブレーキの調整も同じ作業工程です。もちろん、磨耗しすぎたブレーキパッドは調整ではなくて、早めに交換する必要があります。

最後に注意事項を。

ブレーキワイヤーの固定ボルトは外してはいけません。ブレーキワイヤーのつけ外しを何度も繰り返すと、ワイヤーが切れやすくなってしまいます。ワイヤーを引っ張りなおすことだけでブレーキ調整するのは邪道です。

また、機械式のブレーキシステムでも、両側パッドの位置調整ができるタイプのものであれば、上のような作業のほとんどは不要でしょう。上の説明が当てはまるのは、片側のパッド位置だけを調整できるタイプの機械式ディスクブレーキです。


もうじき6月。蒸し暑くなってきました。
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タグ:自転車整備
posted by 司法書士 前田 at 17:20| Comment(0) | 自転車

2018年04月24日

ロードバイクへの道?(終点: 物欲の不思議)

5年前に神戸に引っ越してきて、六甲山を古いマウンテンバイクで走り始めました。山で他の自転車とすれ違ったり、追い抜かれたりしますが、皆ロードバイクに乗っています。「・・カッコいい。」
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(カッコいい・・けど、いらんわ。)

そこで、私も「ロードバイクを買おう」と思い立ったのが4年くらい前のことでした。そして、しばらくの間は熱心に展示車を見に行ったり、ネットで情報収集したりしていました。・・が、未だにロードバイクを買っていません。なぜか?

じつは、ロードバイクに飽きてしまったのです。ロードバイクばかり見過ぎて、新鮮味が失われてしまったのかもしれません。また、他人のロードバイクを脇目に見ながら、いつも乗っている古い自転車の良さを再認識することができたからかもしれません。何にせよ、もう、ロードバイクは必要ありません。

物欲が消える時というのは、そんなものです。いつも思いだすことがあります。

中学生の頃から「カタナ」というオートバイは私の夢でした。高校生の私はオートバイ少年になりましたが、乗っていたのは安い中古の不人気車で、カタナは高嶺の花でした。大学生のころ、私は、憧れのカタナを買うため、現場仕事を中心にアルバイトに精を出しました。

しばらくすると結構な額のお金を貯めることができましたが、結局、私はカタナを買いませんでした。アルバイトに費やした時間や、そこから得た経験を、高価な鉄のオモチャに代えてしまうことは馬鹿らしいと思うようになったからです。カタナはもう必要なくなっていました。
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(スズキのカタナ。カッコいい・・けど、いらんわ。)


ちなみに、その時私がアルバイトで貯めたお金は留学費用の一部に化けて、私の経験をさらに豊かにしてくれました。
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(2018年4月21日、六甲山の夕景。日が長くなった。)



posted by 司法書士 前田 at 14:18| Comment(0) | 自転車

2017年10月01日

コースターブレーキの整備(クラッチ滑りの原因は?)後編

2017年9月初めにtern link uno (シングルスピードの小径車)のクラッチ不調を解決するためにコースターブレーキを分解洗浄して、しばらく運用を続けながら様子を見ていました。しかし、漕ぎ出しにクラッチが「ニュルッ」と滑る感触がどうにも気持ち悪くて仕方ありません。
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(室内での自転車いじり。汚れないように気を使う。)

そこで、根本的な解決を図るべく、クラッチ部品(クラッチコーン)を交換してみることにしました。
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(古いクラッチ単体で見れば、それほど問題があるようには見えないが・・。)

コースターブレーキを再度分解して、問題となっているクラッチコーン(上の画像右)を取り出してみました。新品のクラッチコーン(画像左)と比較してみると、確かにハブシェルをクラッチ(結合)する部分が磨耗しているのが分かります。とはいえ、溝もまだ残っており、それほど酷い磨耗でもないように見えます。クラッチコーン内部のスプリングには問題ないようです。

クラッチを交換したついでに、チェーンリング・クランクとチェーンを厚歯用のものに交換してみました。チェーンリングは、52丁から48丁に歯数を減らし、街中での運用により適した仕様としました。
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(厚歯は耐久性向上のため。歯数減少は街中での扱いやすさのため。)

早速、交換したクラッチの調子を確認するために、表六甲線の入り口である六甲ケーブル下駅までの約2km強の登坂テストを行いました。動力の伝達効率が格段に向上したことを実感しました。
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(自転車は絶好調、乗り手はもう限界。)

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posted by 司法書士 前田 at 10:08| Comment(0) | 自転車

2017年09月11日

コースターブレーキの整備(クラッチ滑りの原因は?)前編

前回tern link uno のコースターブレーキをちゃんと整備してから2年以上経過しましたが、踏み出しの初期に「クラッチが滑る」現象が出るようになりました。そこで、今回は診断がてら、久しぶりにコースターブレーキを分解してみることにしました。


1 なぜクラッチが滑るのか?
コースターブレーキとは、リアハブの中にクラッチとブレーキが一体になった構造をしています。下図を見ながら説明しましょう。
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駆動と制動をコントロールする最初の部品はコグ(紫〇)です。コグは、ドライバー(青〇)に固定されています。ペダルを正回転で踏みこむと、ドライバーの先端に切られた粗ねじがクラッチコーン(赤〇)を右にスライドさせ、ハブシェル(緑〇)をコグと一体化(clutch)させ回転させるという仕組みです。

これに対して、ペダルを逆回転に踏み込むと、ドライバーがクラッチコーンを左にスライドさせ、ブレーキシュー(黄〇)を押し広げて制動するのです。昔のオートバイのドラムブレーキと似た構造です。ドラムに相当するのがハブシェルです。

ペダルに対して正回転も逆回転も力を掛けないと、クラッチコーンの中に仕組まれたスプリングによって、クラッチコーンが右にも左にも寄らない状態(=惰性でホイールが空転する状態)になります。

さて、ペダルの踏み出しの際にクラッチが滑ったようになるというのは、クラッチコーンが右にスライドするのがワンテンポ遅れる、又はクラッチ部分が摩耗しすぎて本当に滑っているということです。その理由として思いつくのは、グリスの劣化、クラッチコーンのハブシェルとの接触部の摩耗、そしてスプリングの不良でしょう。


2 分解・洗浄とグリスアップした結果は?
手許に交換部品がないので、今回は、グリスを入れ替えて様子を見るだけにしました。一番安上がりな方法です。というより、各部品の摩耗がどの程度なら交換すべきなのかといった基本的情報もないので、手っ取り早い方法から試行錯誤していくわけです。
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(たまに整備すると自転車がいかに汚れているか実感)
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(リアハブの中にクラッチとブレーキの仕組みが詰まっています)
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(ワッシャーとかベアリングとか取付順序に気をつけて)

使用するウレアグリスはクリーム色ですが、流石に2年以上ほぼ毎日使っている自転車なので、古いグリスは汚れて真っ黒です。滑らかさも大分低下しています。
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(真っ黒)
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(ハブシェルもきれいにします)

新しいグリスに入れ替えて、ちょっと試運転してみましたが、クラッチの滑りもなく、完全に調子が戻ったようでした。どうやら、異物が混ざって劣化したグリスがクラッチコーンの動きを妨げていたのが不調の一番の原因だったようだと一旦は結論づけました。
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(きれいなグリスを詰め直して一応完成)

ところが、1週間くらい運用を続けてみると、以前ほど酷くないにせよ、踏み出しの滑りが若干は残っているように感じます。と言っても、日々使用するぶんには、さして大きな支障ではありません。次に整備する際に、部品交換もしてみることにします。多分、1年以上先だと思いますが。

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(少し涼しくなって、自転車には絶好の季節)


2017年9月30日追記:
このように、一応は直ったかと思って、link uno を毎日通勤にチョイ乗りにと使い続けていたのですが、やはり漕ぎ出しの「ニュルッ」とクラッチが滑る症状が完全には無くなりません。そこで、後編に続く・・。

タグ:自転車整備
posted by 司法書士 前田 at 16:03| Comment(0) | 自転車