2016年10月05日

債権の消滅時効について

 権利があるからといって、いつまでもそれを行使できるというわけではありません。権利の行使には、時間的な制限があるのです。このような時間的制限には、消滅時効と除斥期間という趣旨を異にする二つの制度があります。

 今回は、債権の消滅時効について、主に貸金債権のそれを念頭に置いて、誰でも知っておくべき基本的事項を整理してみることにしましょう。
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1. 債権の消滅時効
(1) 債権の消滅時効についての規律
 債権は、原則として10年間行使しないときは、消滅します(民法第167条第1項)。

 これは、たとえば、AがBに対してお金を貸したまま、約定の弁済期から10年を超えて返済も受けず、請求もしないでいたような場合に、Bの返済義務が無くなるということを意味します。

 これに対して、債権が商行為によって生じた場合(=商事債権)には、原則として5年間行使しないときは消滅すると定められています(商法第522条)。

 たとえば、会社である消費者金融業者Cが消費者Dにお金を貸したが、約定の弁済期から5年を超えて返済も受けず、請求もしないでいたような場合には、Dの返済義務が無くなってしまうということです(会社法第5条等)。

 お金を貸すプロである消費者金融業者が、保有する債権を消滅時効にかけてしまうなどということがあるのか、と不思議に思う人も多いことでしょう。しかし、債務者が返済未了のまま行方不明になってしまったような場合、消費者金融業者が、事実上何らの対抗手段(後記2(2)の「請求」)もとらぬまま、時効期間を経過してしまうということは珍しくありません。

 商事債権の消滅時効期間が短いのは、商行為の対象とする取引が大量・反復的で、その処理を迅速に行わなければならないという必要性があるためです。また、商人(=商行為を業として行う人)であれば当然に債権管理能力を備えているはずであるから、その債権が短期間で消滅するとしても、そのようなリスクを甘受すべきだからです。

 また、上記の原則的規定のほかに、民・商法その他の法律に、様々な短期の消滅時効が定められています。例えば、医師の診療報酬債権の消滅時効は3年(民法第170条第1項)、卸売業者の売掛債権のそれは2年(民法第173条第1号)、ホテルの宿泊費債権のそれは1年(民法第174条4号)、といった具合です。しかし、このように債権の発生原因ごとに短期の消滅時効を定める意味は、現在ではほとんど失われています。そこで、数年内に行われるはずの民法改正においては、これらの短期消滅時効の整理・統合も行われる予定となっています。

 さらに、債権の存在が確定判決によって認められた場合には、もともとの債権の消滅時効の期間が何年と定められていようと、確定の時から一律に10年間の消滅時効期間の進行が開始することになります(民法第174条の2)。確定判決だけではなくて、これと同様の効力を有する裁判上の和解や調停等によって確定された債権についても、同じように消滅時効期間が10年となります。たとえば、ホテルを経営する事業者が、宿泊客を相手として、宿泊費用債権(もともとの時効期間1年)を請求する訴訟を起こし、この勝訴判決が確定した場合、同債権の消滅時効期間はさらに10年延長されるわけです。


(2) 消滅時効の趣旨
 債権に消滅時効があるということは、債権者にばかり不利益を強いているように見えます。お金を貸した者が、借りた者に対して、親切心から返済を宥恕してあげていたら、いつの間にか全く返済を受けることができなくなってしまうということだからです。では、このように債権者にとっては不公平な消滅時効という制度は、なぜ存在するのでしょうか?

 時効制度(消滅時効のみでなく、取得時効も)の趣旨としては、次の3つがあるとされます。

@ 長期に存在する事実状態をもとに形成された権利関係を保護する。
A 過去の事実の立証困難を救済する。
B 権利の上に眠るものは保護しない。

 これら@〜Bの制度趣旨は、どれか一つが正しいというわけではなくて、複合して時効という制度を正当化するものと考えられます。

 たとえば、債務者Yが、債権者Xに対する債務を返済し終わったと思い込んで、長年月が経過したある日、突然、Xから返済を求められたという場面を考えてみましょう。このとき、Yにとっても、Yの取引先等の関係者にとっても、Xに対する債務がないとの前提で事実や法律関係が長い年月をかけて積み重なっていることがあります。ここで、もしXの請求を許してしまうと、これらの事実・法律関係を覆してしまうことになるかも知れません(上記@)。また、本当にYがXに対して返済していたとしても、レシートや弁済証書等が紛失してしまって、今さらYに返済の事実を証明させるのは酷であるということもあるかも知れません(上記A)。さらに、長い間、自分の債権を放ったらかしにしておいたXにも、懈怠の責任を負わせても然るべき場面もあるでしょう(上記B)。

 時効の制度趣旨@〜Bとは、要するに、権利が行使されないという事実状態が長期間継続することから生ずる様々な問題(事実・法律関係の安定化の必要、証拠の散逸、権利者の懈怠)に対応したものだと理解することができるでしょう。



2. 中断と援用
(1) 時効の援用とは
 債権の消滅時効期間が経過したからといって、当然に債務者の履行義務が消滅するわけではありません。債務者は、履行義務を免れたいのであれば、時効期間経過後に、時効を「援用」(民法第145条)しなければなりません。

 援用とは、時効の効果を受けるという旨の相手方に対する一方的な意思表示のことです。援用は、訴訟内外を問わずに行うことが出来ます(大判昭和14年3月29日)。訴訟外で時効を援用する場合には、内容証明郵便を利用するのが一般的です。

 援用するか否かは、援用権者(債権の消滅時効の場合には、援用権者=債務者ということ。)の意思にかかっています。もし、債務者が、消滅時効期間の経過した古い債権に対して、返済しようと思うのであれば、援用せずに、返済しても構わないのです。

 ところで、租税等、国の債権にも消滅時効が定められていますが、これに対する履行義務の消滅のためには援用を要しません(会計法第30条、31条等)。つまり、租税債権は、中断(下記(2))事由なく5年を経過すれば、当然に消滅するのです。


(2) 時効の中断とは
 時効は、権利の不行使という事実状態が継続することから生ずる問題を解決するための制度です。逆に言えば、権利が正常に行使されているのならば、時効期間の完成を阻止すべきというだということになります。

 このため、民法は、時効の完成を阻止する「中断」という制度を定めています(民法第147条)。中断は、単に時効期間の進行が止まるだけではなくて、中断の事由が生じた時点に時効期間を初期化する(ゼロから再スタートする)という効果をもつ制度です。中断事由としては、次の三つがあります。

@ 請求
A 差押、仮差押又は仮処分
B 承認

 まず@「請求」とは、単に相手方に履行を要求するという普通の意味(これを「催告」といいます。)ではありません。時効を中断するための「請求」とは、裁判所を利用する手続きである必要があります。たとえば、訴訟、支払督促、裁判上の和解手続、及び破産手続きへの参加等が、ここでいう「請求」に該当します。

 次にB「承認」とは、債権の消滅時効が問題となる場面では、債務者が自ら債務を負っていると認める旨の意思表示をすることです。たとえば、債務者が、債権者に対して、「私は○○さんに、金100万円を借りました。」と一筆差し入れることは、ここでいう「承認」に当たります。さらに、債務者が、債権者に対して、債務の一部を返済することも、返済という行為によって黙示の「承認」をしたことになります。

 A「差押、仮差押又は仮処分」については、分かり易いので、説明は省略しますが、@〜Bの中断事由は、いずれも権利不行使の状態を破るという点で共通しています。

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posted by 司法書士 前田 at 11:10| Comment(0) | 金銭トラブル

2016年09月18日

ひとりでできるもん:ニラ饅頭(2016.09.17の夕食より)

 諸事情により、以前ほど気楽に自転車いじりをすることが出来なくなりました。そこで、今回は、自転車をいじる代わりに、美味いと評判のレシピを参考にして、ニラ饅頭を作ってみることにしたのです。


1. 基本レシピ
 参考にしたのは、「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」HPに掲載されていた、ニラ饅頭のレシピ(http://www.asahi.co.jp/oshaberi/recipe/p20020416.html 下記)です。ニラ饅頭のレシピの中でも、これが一番らしいです。
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 しかし、今回は、冷蔵庫に残った大量のニラを処分するため、このレシピよりも分量を1.5倍増しにして、むきエビの代わりに、冷蔵庫に同じく残っていたイカの切り身を使ってみました。豚バラ肉の代わりは、豚コマ肉です。


2. 工程
 ここからは、写真とともにどうぞ。

 薄力粉150gと片栗粉30gに、熱湯75gを加えてよく練り合わせ、饅頭の皮の生地を作ります。
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 練り合わさった生地は、ラップをかけて、冷えるまで放置します。

 生地が冷えるのを待つ間に、ニラをみじん切りにし、フライパンで乾煎りします。ニラを乾煎りするのは、水分を飛ばすためです。饅頭の具にしたニラから水分が出てしまうと、べチャべチャの饅頭になってしまうのだそうです。煎ったニラは、粗熱がとれるまで放置します。
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 豚肉とイカを細切れにして、塩(小さじ1/2くらい)、砂糖(小さじ1/2くらい)、黒コショウ(適当)、片栗粉(小さじ1+1/2)と胡麻油(小さじ1+1/2)、さらに粗熱を取ったニラを加えて、よく混ぜます。饅頭の具です。
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 皮生地を、強力粉で打ち粉をして、整形しやすくなるまで練り、適当な大きさに分けます。
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 麺棒や指を使って、適当な薄さに生地を伸ばしたら、具を入れて包んでいきます。
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 フライパンに饅頭をならべたら、熱湯を饅頭の半分の高さまで注ぎ、強火で蓋をして、水がなくなるまで蒸し焼きにします。
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 水がなくなったら、油を回し入れて、適当な焦げ目が付くまで、焼きます。
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 裏返して、反対側にも焦げ目がつくまで焼きます。
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 たれは、醤油と寿司酢を1:1の割合、これにめんつゆと胡麻油(又はラー油)を適当に加えて作ります。
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 あっという間に完食しました。

 実は、饅頭を焼いている間、洗い物に夢中になっていたら、かなり真っ黒にこげたのだけどね。それでも美味かった。
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posted by 司法書士 前田 at 10:49| Comment(0) | 日記

2016年09月03日

「ひとの保証人にだけはなるな。」の意味

 「ひとの保証人にだけはなるな。」という言葉を聞いたことのある人は多いでしょうが、その意味についてじっくりと考えたことのある人はそれほど多くはないのかも知れません。しかし、保証契約が危険なものであるという漠然とした認識は、多くの人が共有しているでしょう。

 そこで、今回は、保証という制度について基本的な仕組みを理解するとともに、日常生活の中で保証に遭遇する場面と問題点を考えてみましょう。



1. 保証とは
(1) 保証の意味
 保証とは、主たる債務者が債務を履行しないときには、保証人が代わりに履行することを約する契約です(民法第446条1項)。つまり、保証とは、抵当権や質権等の物的担保を設定する契約と同様に、債務の履行を担保するという経済的目的をもった契約の一つです。このため、保証人のことを「人的担保」と呼ぶこともあります。

 保証の場面には、債権者、主たる債務者及び保証人という3者が登場しますが、保証契約の当事者となるのは債権者と保証人です。主たる債務者と保証人との間には保証委託関係があるのが通常でしょうが、このことは保証人が債務を履行した後の求償等にかかわること(民法第459条等)であって、保証契約の成否には影響しません。つまり、主たる債務者から頼まれなくても、保証人になることは出来るのです。

 また、保証債務には、主たる債務者が履行しないときに、履行しなければならないという二次的性質があります。このため、保証人には、原則として、「催告の抗弁権」(民法第452条)と「検索の抗弁権」(民法第453条)という一種の防御権が認められています。

 すなわち、保証人は、債権者から履行の請求を受けても、「まず主たる債務者に請求してから出直してくれ」と言って、とりあえず履行しないでおくことができ(=催告の抗弁権)ます。さらに、債権者が主たる債務者に請求した後であっても、主たる債務者に弁済するだけの資力がありかつ執行が容易であることを保証人が証明したときは、債権者は、まずは主たる債務者の財産に執行しなければなりません(=検索の抗弁権)。

 もっとも、このような抗弁権があることは債権者にとっては負担でしかありません。そこで、これら抗弁権は、契約によって排除されるのが普通です。両抗弁権を排除する形態の保証を「連帯保証」と呼びます(民法第454条)。

 連帯保証は、民法上、抗弁権のある原則的形態の保証(「普通保証」とでも呼ぶべきもの。)の例外として規定されていますが、現実の利用状況を見れば、保証と言えばすべて連帯保証のことを指すと言っても過言ではないでしょう。さらに、商法上の保証は連帯保証を原則としています(商法第511条)。

 連帯保証には、催告・検索の抗弁権が無いことの他にも、主たる債務者・保証人の一方に生じた事由について連帯債務の規定が準用される(民法第458条)など、債権者の債権管理・回収のための便宜が図られています。
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 かつて保証契約は口頭や黙示でも成立してしまう諾成契約とされていましたが、平成16年の民法改正(翌年4月1日施行)によって、書面によらなければ効力を生じない要式契約とされました(民法第446条2項)。


(2) 特殊な保証
 主たる債務は、保証契約を締結する時点で存在しているのが普通ですが、将来発生する債務を保証の対象とする場合もあります。

 例えば、継続的取引を行っている事業者の一方が他方に対して次々に発生・消滅する債務の履行を担保する必要がある場合に、かつては信用保証=根保証という形態の継続的保証契約が用いられていました。しかし、このような保証においては、保証人の負担すべき債務の限度額や期間が過大・過酷なものとなり、このことが社会問題化したことから、平成16年の民法改正によって一定の規制が加えられるようになりました(民法第465条の2以下参照)。その詳細については、本稿では述べません。

 また、日本では古くから、従業員の不手際によって生じた事業の損害を、その親等に賠償させるという慣習や契約手法(=「身元保証」)が存在しています。雇用主が、従業員を雇用する際に、将来発生するかどうかも分からないような損害賠償請求権を担保する契約をその親等との間で結ぶのです。このような契約にも弊害が多いことから、身元保証法という法律によって一定の規制が加えられました。その詳細については、本稿では述べません。



2. 日常生活で出会う保証
 「ひとの保証人にだけはなるな。」と言っても、日々の生活の中で、私たちが自ら保証人になったり、第三者に保証人となることを頼んだりする必要が生じます。そのような場面について、具体的に考えてみましょう。

(1) 住宅ローンに伴う保証
 住宅ローンを組む際には、購入した不動産に対し、融資した銀行(又はその保証会社)のための抵当権が設定されるのが通常です。それに加えて、銀行が、債務者の親等と保証(及び物上保証)契約を結ぶこともあります。

 もし、住宅ローンを申し込んだ銀行から、融資の条件として保証人を立てること等を要求されたのであれば、銀行はローン申込者の信用力を相当低く見積もっていると言えるでしょう。借りてしまう前に、借りようとしている金額が身の丈に合っているのかよく検討すべきでしょう。

 また、住宅ローン融資には、後記(3)の「機関保証」が利用されることも頻繁です。


(2) 不動産賃貸借に伴う保証
 住宅等の不動産を借りるときに、貸主から、地代・家賃等の支払を担保するために、保証人を立てるように求められることがあります。

 不動産賃貸借に伴う保証契約の場合、保証人の責任の範囲については予想がつきやすいことから、保証債務が過大となる危険は比較的少ないといえます。

 また、不動産の貸主側にとっても、借主の信用力を見極めるのは容易ではないことから、このような保証の利用によって地代・家賃の回収を容易にすることができれば、不動産の活用を促進する効果もあると考えられます。不動産賃貸借に伴う保証契約は、保証人にとって比較的危険が少なく、貸主と借主双方にとっても、メリットがあるのです。


(3) 保証会社(機関保証)の利用
 債務の保証を、専門の会社(=保証会社)に委託することがあります。このような形態の保証は「機関保証」と呼ばれ、現在では、住宅ローンやカードローン等契約の多くに、機関保証の仕組みが付随しています。

 債務者自ら保証料を支払うのが通常であることから、機関保証は、履行不能という危険に対する債務者のための「保険」であるかのように誤解されます。しかし、保証会社が、債務者の代わりに債務を履行(=「代弁済」)しても、債務者が履行責任を逃れることは出来ません。つまり、機関保証は、債務者のための保険ではありません。むしろ、機関保証は、債権者(主に銀行等の金融機関)が不良債権を抱え込まないようにする等、債権者の便宜のために利用されているのです。

 機関保証は、主たる債務の契約に組み込まれてしまっていることが通常であるため、避けることができません。例えば、住宅ローン融資の条件として機関保証の利用が義務付けられているような場合、お金を借りるためには機関保証を利用しないわけにはいきません。

 そのためか、多くの債務者は、機関保証を利用していることを意識すらしないようです。しかし、意識もしていない、理解もしていない契約を義務付けられているとは、何とも奇妙なことではないでしょうか?


(4) 株式会社の有限責任と保証
 株式会社の株主は、会社債権者に対して履行責任を負いません。会社が債務超過に陥って倒産すれば、債務の引き当て(=「責任財産」)となるのは会社財産のみであって、株主の財産が差押えられることはありません。このことを、『株主は会社債権者に対しては「有限責任」を負担している』と表現します。ここで「無責任」でなくて、「有限責任」という理由は、株主が会社に対して持つ出資持分(=株式)に限っては、債務の引き当てとなるからです。

 しかし、周囲を見渡せばすぐにわかるように、日本のほとんどの会社においては、会社、経営者及び株主は三位一体の関係にあることが常態です。さらに、会社財産と経営者・株主の個人財産との境目も不明瞭です。

 このような状況では、会社と取引する相手方は、会社財産だけを当てにしていたらとても不安な立場に立たされることになるでしょう。そのため、株主たる経営者(及びその親族)である個人が、会社の債務を保証することも珍しくはありません。例えば、会社が銀行から事業資金を借りるときに、オーナー経営者が当該債務の履行を保証し、さらに自宅に銀行のための(根)抵当権を設定するというようなことは、よくあることです。

 出資者の有限責任が認められているのは、株式会社のみだけではなく、合同会社、社団法人、権利能力なき社団等、いろいろな法人・組織があります。


(5) 主たる債務者の破産と保証人の責任
 保証債務には、主たる債務に附従するという性質があります。すなわち、主たる債務が無ければ保証債務も成立しないし、主たる債務が消滅すれば保証債務も消滅します。では、主たる債務者が破産して、免責を受ける(自然人の場合)なり、法人格が消滅する(法人の場合)なりしたような場合には、保証債務も附従して消えてしまうのでしょうか?

 残念ながら、主たる債務者が破産しても、保証債務には影響しません。つまり、保証人は、債務を履行できない破産者=主債務者に代わって、債務を履行しなければなりません。そもそも、保証人の役割は、主たる債務者に信用不安が生じるような事態において発揮されるべきものなのですから、保証債務が消滅しないことは当然のことです(破産法第253条2項参照。正確には、もうちょっと複雑な説明が必要ですが、本稿ではこれ以上述べません。)。

 よって、主たる債務者が破産したことによって、一見健全な保証人まで連鎖的に破産等の手続きを余儀なくされるということもあるのです。
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 友人の借金の保証人になるような、あからさまに危険な場合を除いても、自ら保証人になったり、他人に保証人になることを頼んだりする場面は、意外と多いものです。そのような場面では、具体的状況に照らして、当該保証契約が本当に必要・妥当なものか、何のために保証するのか、保証の結果としてどんなことが起こりうるのか、きちんと理解しておくべきでしょう。保証人になってしまった後で取りうる防御手段なんて、たかが知れているのですから。
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posted by 司法書士 前田 at 17:22| Comment(0) | 金銭トラブル

2016年07月12日

司法書士の債務整理業務について

 司法書士の代理権を画する基準(司法書士法第3条1項6号)をめぐっては解釈上の争いがありましたが、平成28年6月27日、最高裁の判決によってこの争いに一応の決着がつきました。

 この判決は、依頼を受けて債務整理を行った和歌山県の司法書士が、非弁行為(=弁護士法違反の代理行為)を理由として依頼者から損害賠償請求を受けた訴訟事件(以下、「本件」という。)に関するものでした。しかし、本件は、あたかも司法書士と弁護士の業務範囲を巡る「縄張り争い」の様相を呈してしまったことで、両士業界から注目されました。

 今回は、本件をネタにして、司法書士の債務整理業務への関わり方について考えてみましょう。ただし、本稿では「債務整理」という用語を、裁判外の和解である任意整理、裁判所を利用する破産・再生手続等の法的整理、並びに過払金請求までを含んだ広い意味で用いることにします。また、「ネタにして」とは言っても、本件の訴訟経過や事案自体を詳しく解説するつもりはありません。
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1. 司法書士の代理権とは
 平成14年の司法書士法改正により、一定の研修を修了し法務大臣の認定を受けた司法書士(以下、「認定司法書士」という。)は、簡易裁判所の事物管轄に属する民事事件において、訴訟・調停手続きや裁判外和解の代理を務めることが出来るようになりました(司法書士法第3条1項6号〜8号)。

 従来、訴訟等において当事者を代理するのは弁護士の専属的業務であって、弁護士でないものがこれを行うことは原則として出来ませんでした(弁護士法第3条、72条)。つまり、司法書士法は、認定司法書士に対して、弁護士法の例外を認めたことになります。

 認定司法書士が代理権を行使するためには、訴訟事件であれば「訴訟の目的の価額」(司法書士法第3条1項6号イ)、即決和解及び支払督促事件であれば「請求の目的の価額」(同号ロ)、調停事件であれば「調停を求める事項の価額」(同号二)がそれぞれ140万円(裁判所法第33条1項1号)を超えてはならないという制限があります。

 また、認定司法書士は、裁判所を利用するこれらの手続きだけではなくて、同じ範囲内であれば、裁判外の和解を代理することも出来ます(司法書士法第3条1項7号)。

 認定司法書士に裁判外の代理権も認められているのは、通常、裁判外で和解を模索することが、裁判手続に先行又は並行するので、裁判外の和解権限までを含めなければ代理権としての意味がないからです。



2. 認定司法書士の代理権の範囲についての争点
 一見すると、認定司法書士の代理権の範囲は、法文上明白に規定されているようです。これは、例えば、認定司法書士が代理人になって訴額140万円の請求訴訟を追行することはできるけれども、141万円ならダメ、という単純なことだからです。

 しかし、債務整理、特に任意整理の事案において、この代理権の範囲をどのように画すべきなのかという解釈上の争いが生じていました。解釈は複数存在し、さらに、それぞれが細かく枝分かれしていますが、考察に値する対立点は次の2つに集約されるでしょう。

@債務総額を合算する(「総額説」)か、個別の債務毎に考える(「個別説」)か?
A債権者側から見た債務額を基準とする(「債権者主張説」)か、債務者が得る利益を基準とする(「債務者受益説」)か?

 例えば、甲という債務者が、金融業者A社に対して100万円、さらにB社に対して200万円の債務を負い、C社に対しては300万円の過払金債権を持っているという場合を考えます。

 この場合、@の対立を考えると、総額説によれば全ての債務について認定司法書士が代理して債務整理することは出来ない(100万円+200万円+300万円=600万円: 140万円超)という結論になるのに対し、個別説によれば少なくともA社(100万円: 140万円以下)に対する債務整理は出来るという結論になります。

 総額説は、複数の被告に対する訴訟を併合した場合の訴額の計算方法を根拠としています。これに対して、個別説は、債権者ごとに別訴を提起する場合の計算を根拠としています。

 次に、Aの対立を考えると、債権者主張説によれば、債権者側から見た債務額とはそれぞれ100万円、200万円及び300万円であるから、認定司法書士が代理して債務整理を行う可能性があるのは、A社に対する債務のみであるということになるでしょう。これに対して、債務者受益説によれば、A社に対する債務に加えて、B社に対する債務についても認定司法書士が代理して債務整理を行う可能性が出てきます。

 債権者主張説については説明を要しないでしょう。これに対して、債務者受益説というのは、非常に分かりにくい解釈です。というのも、同説は、民事調停手続の申立費用の基礎である「調停によって得られる経済的利益」という実務上の基準をもとにして代理権の範囲を決定すべきだとしているからです。

 例えば、甲がB社を相手方として申し立てた調停の結果、仮に200万円の債務を120万円に減額する和解が成立したとすれば、「調停によって得られる経済的利益」は80万円(=200万円〔原債務額〕−120万円〔減額後債務額〕)ということになります。また、仮に200万円の債務について減額なしに3年後の一括払いという期限の利益を付与するという和解が成立したとすれば、「調停によって得られる経済的利益」は、30万円(=200万円〔債務額〕×0.05〔民事法定利率〕×3年〔支払猶予期限〕)ということになります。どちらの場合も、認定司法書士の代理権の範囲内です。債務者受益説とは、裁判外の和解においても、これと同じ計算を用いて代理権の範囲内か否かを判断するという解釈です。



3.  平成28年6月27日最高裁判決について
(1)縄張り争い?
 冒頭で、本件が、司法書士と弁護士の業務範囲を巡る縄張り争いの様相を呈していたと書きました。これは、どういうことでしょうか?

 司法書士法の改正により、限定つきながら司法書士が代理人として債務整理を行うことが出来るようになるのと時期を同じくして、過払事件に関して消費者(=債務者)側に傾斜した重要な判例が相次いで出されました。一部の弁護士と司法書士は、争点が消えた(=容易に勝訴できる)過払事件に群がりました。さらに、司法制度改革による弁護士人口の増加という現象も重なりました。この「過払バブル」の中で、弁護士と司法書士が同じパイを奪い合うという状況が生じたのです。

 本件の争点であった司法書士の代理権についても、純粋な法律論争というよりは、日弁連と日司連(=日本司法書士連合会)の間での代理戦争のようでした。前者(日弁連)は、債務整理の依頼者側(第一審原告)を支援して、一貫して司法書士の代理権を極小化する解釈(上記2の総額説及び債権者主張説)を取りました。これに対して、後者(日司連)は、訴えられた司法書士(第一審被告)を支援して、司法書士の代理権を極大化するような解釈(上記2の個別説及び債務者受益説)を主張していました。


(2)平成28年6月27日最高裁判決
 上記2の争点について、最高裁は、「債務整理を依頼された認定司法書士は、当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が〔司法書士〕法3条1項7号に規定する額を超える場合には、その債権に係る裁判外の和解について代理することが出来ない」という判断を示しました。これを上記2の用語に即して言えば、最高裁は、個別説及び債権者主張説を採用したということになります。反対に、総額説(日弁連の解釈)と債務者受益説(日司連の解釈)は、どちらも退けられました。

 最高裁の判断は、認定司法書士の代理権を画する基準を最も明確に示しており、法文上も無理なく妥当なものと言えるでしょう。逆に、退けられた各説については、それぞれ支持する団体の思惑を反映した無理のある解釈であるばかりか、有害な解釈であるとすら考えます。



4. 判決の後
 縄張り争いとまで揶揄された本件訴訟に対して最高裁の判決が出たことにより、債務整理事件の取扱いについて今後どのような影響があるのでしょうか?

 実は、本判決の影響は、一部で騒がれているほど大きくないでしょう。というのも、債務整理の方法として任意整理を選択すべきような事案が、今後、非常に少なくなると考えられるからです。これは、任意整理と表裏の関係にある過払金請求事案が減少していることに関係しています。

 闇金を除く金融業者は、平成18年頃を境に、新たに過払金の生じるような金利での貸し付けを行わないようになりました。従って、過払金請求権が生じたとしても、そのほとんどは既に又は間もなく消滅時効にかかって、請求不能な状態になってしまいます。過払金がないのであれば、個々の債権者との間で別々に和解する意味などほとんどありません。

 よって、今後、債務整理は、破産や個人再生などの法的整理が中心になるでしょう。これらは、原則として全債務を裁判所の監督下で一括整理する手続きです。もともと、債務整理の一番の目的が多重債務者の経済的更生ということであれば、法的整理を原則とすべきなのです。任意整理という手法は、たまたま過払バブルという異常な状況があったために都合良く用いられていたに過ぎません。

 ところで、司法書士は、本来的業務である裁判所提出書類の作成(司法書士法第3条1項4号)という権限によって法的整理を行うことが出来ます。このためには、もともと代理権など必要ではないのです。

 もちろん、法的整理といっても、その具体的処理は事案により様々です。書類作成だけで間に合う事案もある一方で、受任者が債務者を代理しなければならないような複雑な事案もあるでしょう。後者のような事案は、司法書士ではなくて、最初から弁護士が処理すべきものです。

 縄張り争いなんて下品な話は、これで最後にして欲しいものです。
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posted by 司法書士 前田 at 15:47| Comment(0) | 金銭トラブル

2016年06月28日

夫婦間の居住用不動産贈与における贈与税の配偶者控除について

 夫婦間で居住用不動産(受贈者自ら居住するための不動産のこと。以下、単に「居住用不動産」と言えば、同じ意味で使っています。)又はその取得資金を贈与する場合には、一定要件のもと、贈与税の配偶者控除を利用することが出来ます。今回は、私の事務所にも相談の多い夫婦間の居住用不動産贈与についておさらいしてみましょう。
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*私は税務の専門家ではありませんので、本稿は、制度を紹介することを意図したものであって、税金について細かく説明しようと意図したものではありません。



1.贈与と贈与税の原則
(1)贈与とは
 贈与とは、「当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」法律行為のことです(民法第549条)。無償であるというところが、対価を要件とする「売買」や「交換」等の物の移転を伴う多くの法律行為と異なる贈与の特徴です。

 贈与を行うには、特に書面で契約を行うことを要せず、両当事者の合意のみによって行うことが出来ます。しかし、書面によらない贈与契約は、未履行の部分については、各当事者が一方的に撤回(=将来に向かって契約の効果を消滅させること)することが可能(民法第550条)であることから、真に贈与するつもりであるならば書面を交わすことによって契約するのは常識と言えるでしょう。


(2)贈与税の原則
 無償契約であるということから、一見すると安上がりな財産移転方法であるかのように思われる贈与も、税務のことを考慮すれば、決して安上がりではないことが分かります。なぜなら、贈与には、比較的高い税率で贈与税がかけられるような仕組みになっているからです。

 贈与税の税率は、一般贈与(=特例適用のない贈与)財産について次のように累進的に定められています(相続税法第21条の7)。
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 課税価額は、実際の贈与額から基礎控除額(110万円)を控除した後の価額です。贈与税を算出するには、課税価額に税率を乗じ、そこからさらに税控除を行います。例えば、ある人が3000万円の贈与を受けた場合、贈与税の一般的な計算式は以下のようになります。3000万円もらったら、1195万円を税金として国に納めなければならないということです。

・(3000万円−110万円)×50%−250万円=1195万円

 贈与税の税率が高いのは、相続税の免脱を防止するためです。仮に贈与税という制度がなかったとすれば、資産家は、生前に大部分の財産を他人(相続人であるとは限りません)に贈与することによって、容易に相続人が負担すべき相続税を免脱させるよう対策することが出来てしまうでしょう。贈与税は、「相続税の補完税である」とも言われるのはこのような理由です。

 しかし、贈与であればすべて高い税金をかけられるというわけではありません。贈与税という仕組も、財産処分の自由(民法第206条等)、相続財産承継制度(民法第5編)、夫婦財産制度(民法第4編第2章第3節)等の実体法上の諸制度のバランスの上に成り立っている政策の一つに過ぎないのです。従って、実体法上の諸制度との兼ね合いにおいて、租税負担の不公平等の問題を生じないのであれば、贈与税を軽減・免除するという措置を取ることも許容されるのです。本稿のテーマである居住用不動産贈与における配偶者控除の制度も、このような軽減措置の一つと考えることが出来ます。



2.居住用不動産贈与における贈与税の配偶者控除とは
(1)制度の内容
 婚姻期間が20年以上の夫婦の一方から他方配偶者に対し、居住用不動産(家屋・敷地)又は居住用不動産取得のための金銭を贈与した場合、一定要件のもと、贈与額から基礎控除の他にさらに2000万円を限度に控除をした額を課税価額とすることが出来ます(相続税法第21条の6)。

 例えば、3000万円を贈与された場合、通常なら1195万円の贈与税の納税義務が発生する(上記1(2)の計算)ところ、この制度の適用を受ければ、贈与税額は、下記のとおり、350万円程度へと大幅に軽減されます。

・(3000万円−110万円−2000万円)×40%−125万円=355万9875円


(2)利用要件
 この制度を利用するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

・贈与当事者である夫婦の婚姻期間が20年以上である。
・国内の居住用不動産又は居住用不動産取得資金の贈与である。
・贈与の翌年3月15日までに、受贈者が取得した居住用不動産に現に居住する。
・同じ配偶者からの贈与について同控除制度を利用したことがない。


(3)利用目的
 夫婦間で居住用不動産を贈与する目的は、主に次の2つであろうと思われます。

・事実上の財産分与
・相続対策

 夫婦が離婚によって婚姻関係を解消する際に、婚姻中に取得した財産の清算を行うことを「財産分与」といいます(民法第768条)。夫婦間での居住用不動産の贈与は、婚姻中に事実上の財産分与をする目的で行われることがあります。これは、不動産を夫婦のどちらの名義にしておくかという問題であって、離婚や夫婦仲の問題とは一応分けて考える必要があります。

 また、相続対策として配偶者への不動産の贈与が行われることもあります。相続対策とは、被相続人となるべき人が、相続税の節税や推定相続人間の権利調整を、生前のうちに行うことです。本稿では、その詳細については省略します。


(5)注意事項
ア.贈与税の申告
 本制度の配偶者控除を受けるためには、期限内(翌年の2月1日から3月15日まで)に戸籍謄本等の必要書類を添付して贈与税の申告を行う必要があります。上記2(2)の要件に当てはまれば、自動的に配偶者控除が受けられるというわけではありませんし、納税額がないからと言って申告の必要が無くなるわけでもありません。

イ.贈与対象土地の評価
 また、不動産を贈与する場合には、その不動産を評価(金額をつけるということ)しなければなりません。建物については、固定資産の評価と同一ですので、別段の評価を要しません。これに対し、土地については、原則として各年度の路線価をもとに、一定の計算式に当てはめて自ら評価しなければいけません。ここでは、その計算方法については省略します。(自分で計算したい方は、国税庁HPの不動産評価明細書作成コーナーを使えば、簡単に土地の評価を行うことが出来ます。下記の申告書作成コーナーから、贈与税申告書及び土地評価明細書の作成コーナーに入ることができます。
https://www.keisan.nta.go.jp/h27/ta_top.htm#bsctrl )
作成コーナー1.png
(国税庁HPの申告書作成コーナー。)
作成コーナー2.png
(贈与税申告書類を一式作成することが出来る。)

ウ.夫婦の合意
 そして最後に、当たり前のことですが、夫婦間で不動産を贈与する際には、夫婦双方が当該贈与をすることについて合意していることが必要です。こんな当然のことを私がことさらに注意するのは、他方配偶者に内緒で不動産の所有権を移転しようとしていると疑われる相談事例が少なからず存在するからです。へそくり感覚で不動産所有権を移転してはいけません。
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posted by 司法書士 前田 at 16:36| Comment(0) | 登記業務